私の介護体験記
高野真由美(ホームケア土屋 富山)
福祉の仕事に興味を持っていたのは、高校生の頃からになります。
当初から何か人の役に立つ仕事がしたいと考えていましたが、意に反して結局は英語専攻の短大へ進み、旅行関係の仕事に就きました。
それから結婚・出産を経て久しぶりに、保育士として働いている高校時代の友人に会いました。その友人が、「保育士を辞めて介護の仕事へ転職した」と聞いて驚きましたが、生き生きとしていたのが印象的でした。
その時に介護の仕事っていいなと思い、改めて福祉の仕事に興味を持つようになりました。
その後、紆余曲折を経ながらも、家族を説得し当時のホームヘルパー2級の資格を取得後、デイサービスへ就職しました。
いざ働き始めると、迷っていた自分が信じられないくらい、職場でのクライアントとのコミュニケーションが楽しくて、「この仕事に就いて間違いなかった」と思いました。
昔の話を聞いたら盛り上がって終わらない方や、どこの出身か尋ねたらいつの間にか全然違う話に変わってしまう方、また「あんたこの間休みだったね、どうしとったん?」と気にかけて下さる方など、いろんなクライアントがおられました。たまに会話が長すぎて上長に注意されていましたが・・・。
利用人数が増えてくると、会話する暇も少なくなり、機能訓練、入浴介助、食事の準備、配膳下膳、口腔ケア、レクリエーション、トイレ介助、送迎などクライアントが帰宅される時間まで忙しく働いていました。
大変なこともたくさんありましたが、今考えると貴重な良い経験となっています。
それから3~4年後に、同系列のサービス付き高齢者住宅へ異動しました。
クライアントが各部屋に住んでおられ、身体介護や生活介護は「個別のサービス」になっておりましたので、職員が各部屋に訪問して介護サービスを行っていました。また、夜勤もしておりましたので、デイサービスより一人一人のクライアントに関わる時間が濃厚でした。
ここで訪問介護の魅力に気づき、「こういう1対1の仕事もいいな」と思い始めました。
介護の仕事を始めて10年が過ぎた頃、体調を崩したのがきっかけで自分を見つめなおし、「他の分野にもチャレンジしたい」と考え、この会社を知りました。
ホームページを見て調べた時に、まず目に飛び込んできたのは、経営理念と、ミッション・ビジョン・バリューだったのですが、これに強く共感しました。
また他にいろいろ調べていくうちに、ジェンダー平等と女性活躍の取り組みを進めていること、また、多様性が尊重される社会にしようと努めていることの素晴らしさにも共感し、入社する決心が付きました。
重度訪問介護は、1対1でクライアントと長時間関りますが、密にコミュニケーションを取ることにより、信頼関係が構築され、より良いケアが出来ると思っています。
とは言いながら、実際には過去に、コミュニケーションが上手く取れず、壁にぶち当たる場面が何度もありました。そんな時は上長やアテンダントに相談し、アドバイスをもらいながら今まで何とか乗り越えることができました。
この仕事は孤立しがちですので、とにかく「誰かに相談することが、いちばん大切なこと」だと感じます。
自分では「大した内容じゃない」と捉えていても、です。
かくいう私も相談するのは遠慮しがちだったのですが、上長が話しやすい環境を整えて下さったお陰でとても相談しやすくなりました。
また、「何度も相談することによって、何通りもの考え方が出来る」ようになります。
そして、壁を乗り越えられた時は「自分が成長できた証」だと思っています。
私が逆の立場になった時には、同じように相手が困っている時には傾聴する、もしくはきちんと向き合うように心がけようと考えています。
まだまだ経験も浅く周りに助けてもらってばかりですが、今後もチームワークを大切にお互いの良いところを伸ばしながら頑張っていきたいと思います。