見えにくい中での妊娠・出産・子育て⑧/ 水島恵

見えにくい中での妊娠・出産・子育て⑧
水島恵

1997年春に長男が小学校へ入学し、次男は年少クラスとなりました。
長男の時も次男の時も、就学前健康診断は受けませんでした。

義務だと思い込んでいましたが、支援者から「法的義務はないし、障害児と認定して学校や学級に振り分けようとする目的のものだから、受けたくなければ受けなくて良い。誰もが受けない方が良い」と聞き、拒否を決めました。

確かに入学してから健康診断的なものはありますし、時間の無駄にも思えました。

長男は自閉スペクトラム・軽度知的障害で、当時は多動がありました。「見えにくい中での妊娠・出産・子育て③」に、通学のことはお話しました。

学校生活は3年生まで、担任の他に補助教員をつけていただきました。
そのようなこともあったのか、多動はありましたが、教室を飛び出すということはほとんどなかったように記憶しています。

4年生の、ある参観日のこと。
5時間目が参観でしたので教室へ入ったところ、始業になっても長男を含め数人の子どもが教室にいませんでした。

担任の先生は心当たりがあったようで捜しに行かれ、戻ってこられて説明してくださいました。

説明によると、渡り廊下で掃除をしていたそうです。
班ごとに当番で、お昼休みに振り当てられた場所を掃除することになっているのですが、授業に遅刻するほど時間のかかるものではないとのことでした。

担任が事情を訊いてみると、子どもたちは「水島君がゴミの片付けがうまくいかなくて散らかったので、みんなで片付けてました」と説明したそうです。

担任は「協力したことは素晴らしい」と褒め、「もう4年生だから、誰かが教室に事情説明に来てくれたらもっとよかったね」とも言っておきました――そう説明されました。

このような出来事を繰り返しながら、同級生は長男への理解を深めてくれ、そんな環境で長男も徐々に多動が落ち着いていきました。

放課後や休日に、長男が学区内をうろうろしていたり、電車を見るために駅や踏切の近くにいたりするのを同級生の保護者が見て心配してくださったりもしましたが、同級生が「ここなら心配ないし、水島君は危ないことしないから大丈夫や!」と保護者に教えてくれていたようでした。

小学校生活は6年間というものの、あっという間に過ぎていきました。

小学校は担任がほぼ一日関わっていただける環境ですが、中学校はマンモス校で教科担当制になるので、不安を感じながら卒業期を迎えるのでした。

長男の中学校の話は、またの機会にいたします。
そして、次男が小学校に入学する時からのことを、次号に続けます。

◆プロフィール
水島恵

水島 恵(59歳)
岡山市在住
視覚障害(先天性緑内障)
岡山県UD推進アンバサダー
指圧・あん摩・マッサージ師
着付け1級(認定)
趣味は編み物、料理(特にスイーツ)、カラオケ、旅行、和装、講演・講座巡り

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