他者との関わりが多くて深い仕事だからこそ気付いたこと
仮屋泉
私は入社以前の経歴として運送業、接客業、マネジメント等の様々なお仕事の経験をしてきました。
その中で、自分が考えていることや感じている事がなかなか上手く伝わらず、関係性が崩れてしまう場面に直面したことがあります。
事が過ぎた後で思い返してみると、自分の事しか考えていなかったり、考えを押し付けるような言動を取っていたりと、それに気付いては”ひとり反省会”をする日々もありました。
それらを経て、現在は介護のお仕事をさせていただいているのですが、これまでの経験も踏まえた上で共通して特に重要だと感じているものの一つに「コミュニケーション」があります。
「コミュニケーション」と一口に表現されることが多いのですが、現在の職務だけを切り取っても社内の方はもちろんのこと、他社の職員の方、クライアントご本人、クライアントのご家族など、関係性は様々で、それぞれに合わせたコミュニケーションの取り方があります。
特に重度障害をお持ちの方を支援させていただいている現職の介護現場においては健常者のような意思疎通が難しい方も多くいらっしゃいます。
そのような方は身振り手振りや文字盤であったり、中には意思伝達装置を使用されている方がいらしたりと、あらゆる手段を用いて介護職員とコミュニケーションを取りながら、ご自身の意思表示をすることが可能です。
ただ、日常的にごく普通に自分たちが実施しているコミュニケーションとは違った形を用いることができる反面、介護職員には知識や技術を学び、相手の思いを汲み取ることが求められます。
他者とのコミュニケーションを取る中で大切とされているものの中に「傾聴」「共感」「受容」という3つの要素があります。
【傾聴】
「ただ相手の話を聞くのではなく、相手の話に合わせ、自分の価値観ではなく相手の価値観を尊重し、心を込めてよく聴くこと。相手が何を伝えたいのかや、言葉に込められている想いを聞き分け理解する。」
【共感】
「『同意』や『同情』とは違い、相手の側に立ったとしたら抱くであろう気持ちを感じること。相手の心情を相手になったつもりで現在の心情を理解しようとする。」
【受容】
「相手の言ったことを肯定も否定もせず、聞き手の価値観や善悪や好き嫌いなどの基準は一旦置いておいて、そのままに受け入れること。」
これらの3つの要素を言葉として並べるとなかなか難しく感じてしまう部分もあるのですが、我々介護職に求められるコミュニケーションの大事な要素となっており、国家資格の試験にも出題に含まれるほどです。
公私を問わず、日頃関わっているたくさんの方との人間関係の上でも、コミュニケーションの取り方次第では信頼関係や安心感を与えることにも繋がっていきます。
私は職務の上で日頃から多くの方とコミュニケーションを取る機会が多くある中で、成功や失敗を重ねた事で、これまで自身が経験してきた仕事以上にコミュニケーションそのものの大切さを土屋でのお仕事を通じて学びました。
そして、相手を知る事が自分を知る事にも繋がっているということを改めて実感しました。
「コミュニケーション」と一口に言われることが多いですが、その中にはとても大きく、そしてこれからもたくさんの方と関わっていく上でとても重要なものが含まれているので、これからも大切にしていきたいと思っています。
人はひとりでは生きていくことはできませんので。
◆プロフィール
仮屋泉 ホームケア土屋 鹿児島
オフィスマネージャー
2021年に無資格、未経験で入職
出身地:鹿児島市
趣味:音楽鑑賞、楽器演奏