息子のためのワークデザイン
杉田宣惠
私が老人ホーム勤務から訪問介護にシフトチェンジしたのは、息子が小学校に入学する 1 年前でした。
一度出勤すると、自由がないそれまでの働き方が、ワンオペ育児の私には少し窮屈でした。
そんな時、訪問介護員募集の広告が目にとまったのです。
未知の世界なので不安ではありましたが、老人ホームとの W ワークを続けながら、訪問介護の世界に飛び込んでみました。
手始めに週1回 1.5hの身体介助と家事援助の現場への派遣を引き受けることにしました。
朝ご飯を作り食事介助をして洗濯物を干す。時には昼食の弁当も作り、身支度を整えて車いすに移乗していただき就労支援に送り出す。これを 1.5hの間に終わらせることのハードさに、目が回りそうでしたが、そこは私も主婦の端くれ!!1か月もすると余裕です。
そこから少しずつ現場を増やして、小学生の息子のサッカーの練習や塾の送迎の時間を避けた現場に派遣していただき、W ワークから訪問介護だけの働き方にチェンジし、重度訪問介護の現場にも入らせていただくようになりました。
時には、サッカーの練習中や塾の間に行ける現場を引き受けたりと、働き方を工夫して息子がサッカーの練習や塾に行けないことのないようにしました。
こんな働き方を7年ほど続け、息子が手のかからなくなる中学生になるのを待って、以前より興味を持っていた(株)土屋に入社しました。
働き方は、短時間の細切れ現場に1日数件訪問するスタイルから、長時間を1日1件というようなスタイルに変わり、息子より早く仕事に出たり、遅く帰ったりすることが多くはなりましたが、息子なりに協力的で、サッカーの練習のない時はご飯を炊いていてくれたり、YouTube を見ながら1品作ってくれていたりと、嬉し涙の日も何度かありました。
ワンオペ育児で子育てと仕事の両立はなかなか大変ですが、私にとって訪問介護という仕事はとても恵まれた環境だったようで、パズルをはめるように時間の隙間に、現場というピースをはめ込み、とても効率よく働くことができました。
私の仕事に協力的だった息子は、この春高校生になりました。
サッカーの練習にも塾にも、私の出番は少なくなりましたが、お弁当だけは毎朝作る意気込みです。