仕事も大事だけれど、腰も大事に!あなたも大事に!~介護者の職業病~
芳山恵
最近身の回りで腰痛の訴えを耳にすることが多く、私自身も腰痛もちであることから、今回は介護職と腰痛の関係について考えていきたいと思います。
介護の仕事は日々、高齢者や身体的に困難を抱えた方々のケアを行っています。
そのため、身体に負担がかかる作業が多いことが挙げられます。
移動や排泄の介助、身の回りのお世話など、これらの作業は力仕事が中心です。
特に施設内での移動や移乗、移動の際には重い物を持ち上げたり、体勢を保ったまま長時間立ち続けたりすることもあると思います。
このような作業は腰に大きな負荷をかけるため、腰痛を引き起こす要因となります。
介護職の方々は多くの時間を立ち仕事や座り仕事で過ごすことが多く、ケアの合間は立ちっぱなしで行われることが多いため長時間同じ姿勢を続けることになります。
これにより、腰や背中の筋肉が緊張し、血行が悪くなり、筋肉が硬くなったり、血行不良が起きると、腰痛や肩こりなどの痛みが生じます。
また、介護職の方はストレスの多い環境で働いています。クライアントやそのご家族とのコミュニケーションや、人間関係のトラブルなど、さまざまなストレス要因が存在します。
ストレスは筋肉の緊張を引き起こし、血行を悪化させるため、その結果腰痛の発症リスクが高まってしまいます。
さらに、長時間の労働や不規則な勤務が多いため、適切な休息が取りにくいということから疲労が蓄積し、筋肉の緊張や血行不良が起きやすくなり、腰痛の発症リスクが高まります。
このことから介護職の方々にとって腰への負担が多く、腰痛は職業病といえると思います。
重い物の持ち上げや移動、長時間の立ち仕事や座り仕事、ストレスの多い環境、不規則な勤務など、腰に負担をかける要因が数多くあります。そのため、十分な予防対策が必要です。
予防のためには、正しい姿勢や体の使い方を意識することが大切です。重い物を持ち上げる際は、腰を曲げずに膝を曲げてスクワットのような動作を心掛ける。排泄介助では腰に負担がかからないようベッドの高さ等の調整を行う。立ち仕事や座り仕事の際は、長時間同じ姿勢を取ることがないよう定期的に休憩を取り、体を動かすことも必要になってきます。
適度に休息・休暇をとり、プライベートを充実することが出来れば仕事とプライベートのバランスがしっかり取れ、ストレスの軽減にも繋がるのかなと思います。
◆プロフィール
芳山恵 ホームケア土屋 大分
介護を始めた時期:2002~現在
資格:介護福祉士