「3Kだしモヤモヤする」というイメージを突き破る、クライアントの生きる姿 / 木島好美

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「3Kだしモヤモヤする」というイメージを突き破る、クライアントの生きる姿
木島好美

多くの人々が戸惑い立ち止まった、2020年からのコロナ禍。

当時飲食店でアルバイトをしていた私も、もろにその影響を受けた一人でした。

新しく仕事を…と焦ってみても、接客以外のスキルも資格も持たない40代後半の私に多くの選択肢があるはずもなく…。

4人姉弟の長女。幼い頃から人の世話を焼くのが大好きなお節介姉ちゃん。転職のたびに【介護】は目につくし興味もある。それでもいつも「絶対に無理!!」という漠然とした自信が勝っていました。しかし「コロナ禍の緊急事態宣言」という未知の経験により、私の中のプラス思考が発動し、【介護】の世界への扉が開かれました。

コロナ禍の恩恵を受け【介護にトライ】の始まりです。

そんな私が見た介護の実際は…

「3K」のイメージが強く、かなり身構えていたのですが、気付けばそんな不安は消えていました。

人手不足や業務の多さからの「流れ作業的介護」になってしまう事等、みんながもどかしさを抱えながら働いている事実。沢山の想いはありましたが私の一番の関心は、コロナ禍で面会も難しくなり、ご家族に会えない寂しさを訴える方が多くいる事。そのことが引き金となり、気持ちが落ち込み・体調を崩し命を落としてしまう方もいるという現実でした。

どんなに献身的に関わろうとしたところで、仕事で関わっているのだからそれ以上でもそれ以下でもない。他人の私達に出来ることなどたかが知れている。同情や哀れむ事では何一つ解決しない…。

介護を始めた当初は、「頑張れば何とか出来るのではないか」と、随分思い悩んだりもしましたが、発想の転換も必要だと学びました。

病院での看護助手、特養老人ホームと、1年9ヶ月働きましたが、持病の腰痛が悪化し、退職。

【介護】に腰痛はつきもの。上手く付き合い続けるという未来が私には見えず「介護の仕事も続けられないのか…」と途方に暮れていた時、薦められた【訪問介護】。そして初めて知った【重度訪問介護】という仕事。

重い病気や、障害を負った方が、「自宅で生活する」ためのお手伝い。

「お家に帰りたい」と叶わぬ願いを訴え続けていた人達の顔が思い出されました。

訪問介護のシステムが広がれば自宅で生活できる人が増えるのに…と。

そして出会った、病や障害を抱えながらも力強く生きている人達。確かに体の自由は利かないので、私達がお手伝いをしていますが、大きな困難に立ち向かっている人達の存在は無気力に生きている私にとって、大きな刺激となっています。

介護に関わっていなくても、介護に興味がなくても、介護の現状については耳にした事があるはず。そしてそこに明るい情報はほとんどなく…。

けれど、私が見てきた介護の世界は決して暗く・孤独なものではありませんでした。私自身、介護をされる覚悟も出来ていましたし。

【介護】は誰もが高い確率で「当事者になり得る」ということを考えると、もっともっと理解を深め、居心地の良い世界にしておく必要があるはずです。

土屋の経営理念に【探し求める小さな声を…】とありますが、これは介護を必要としている人達の声はもちろん、介護職に興味のある人や、私のように目には付くけど「無理!」と思って「一歩を踏み出せない人達の声」も含まれていると思います。

同じものを見ても感じ方は人それぞれ。多くの方たちの【介護】についての考え方をぜひ聞いてみたいものです。

プロフィール
木島好美 ホームケア土屋 習志野

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