介護って温かい仕事
眞嶋安那
私が介護の仕事に就いたのは高校卒業後すぐ。
進学はせず、就職しか考えていませんでした。職種は訪問介護一択。
特に夢や目標があったわけでもなく、正直志望動機は「なんとなく。」
ざっくりと「自分の家族や大切な人もいつか年をとり介護が必要になる。いつかどうせやるなら、知識も技術も身につけておけたら。」ってくらい。 根拠もなく、自分に向いてそうって。
当時、面接官にこの仕事の魅力を聞いたときに、「ありがとうの温かみが違う。とても距離感の近い仕事だけにお互いの気持ちが寄り添う。『こんにちは』も『また来ますね』も、目線を合わせて利用者に触れて挨拶してみて。きっとわかるよ。」 と。
20 年も前のことだけれど、今でも大切にしている。
介護職はどうしても「キツイ・汚い・給料安い」のイメージが強かった。
就職後、初任給の金額にもびっくりしましたね。高校生の時のアルバイトの時とさほど変わらなかった。
一緒に新卒で入った仲間たちも、半年で1/3 は退職していましたね。
理由はそれぞれ。訪問介護だったので、「車での移動が大変」とか、「空き時間が多くて拘束時間が長い」とか、「オムツ交換が無理だった」とか、「給料が安いから」とか…
私はどれも苦ではなかったし、利用者と一対一でお話ししながら支援を進められることが 好きでした。自身のスキルアップのために違う職種も経験したし、介護では施設やデイサービスも経験した。けれど、他も経験してさらに思ったのが、私は訪問介護が好き。
数年前、転職活動しているときに見つけたのが「重度訪問介護」。
全然無知だったので、面接前に色々と調べたけれど正直「?」がいっぱい。
見守り?一日一件?訪問介護で夜勤?介護士が医療的ケア?って。
分からないことも不安もいっぱいだったけれど、やってよかった。今でも大きな夢や目標があるわけではないけれど、私は「私に関わる全ての人が楽しくハッピーにすごせたら、そこに少しでも関われたら」と思っている。
仕事でもプライベートでも。
私は器用な人間じゃないから、ゆっくりと時間をかけて丁寧に。仕事をしていてみんなに驚かれるけれど、実は”超”が付くほど人見知り。人前に出ることも苦手。重度訪問介護って、そんな私にもぴったりだなって。
長時間一対一だからこそ大変なこともある。コミュニケーションって、とても大切だなといつも感じる。だけど、だからこそお互いも知れるし、だからこそ一人一人に合ったケアができる。どんな仕事よりも温かい。私はそう思います。5年後も10年後も、その先もずっと介護に関わる仕事がしたい。
私は介護職が好き。
プロフィール
眞嶋安那 ホームケア土屋札幌 コーディネーター
高校卒業後ヘルパー二級(初任者研修)取得し、介護の世界に。
訪問介護・介護老人保健施設・デイサービスを経験し重度訪問介護に。
自身の苦手克服のため、営業職も経験。今は9歳の子を持つシングルマザー。日々両立に悪戦苦闘。 シングルマザーでも働きやすい環境づくりをしていきたい。