「クライアント主体の介護」へのシフトチェンジ / 三浦仁義

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「クライアント主体の介護」へのシフトチェンジ
三浦仁義

私は今年で介護経験15年目になります。

介護未経験時代は、TVで見るように「介護=高齢者」のイメージしか持っていなかったので、資格を取得した後は、何も疑問も持たず、地元の高齢者有料老人ホームへ就職致しました。

高齢者介護の施設としては、有料老人ホーム、グループホーム、特別養護老人ホームと、いくつもの施設を経験してきました。

施設介護で言えるのは、少ないスタッフで大勢の利用者さんの介護を担う為に、業務マニュアルに基づくスタッフ(施設)主体の介護がほとんどでした。

私もマニュアル作成や新人指導も行っておりましたが、当時はそれが「当たり前の事である」と認識しておりました。

しかし、10年程前に転職した別の重度訪問介護事業所で、これまでの高齢者介護での常識やルールというものが、「いかにスタッフ(施設)主体」だったのか痛感し、障害者介護ではほとんど「役に立たない」と気付かされました。

特に一番勉強になったのは、利用者さんご自身からのお話や経験、介護技術のアドバイスでした。高齢者の方と違い、頭がクリアな方が多く、私達の行う介護が、実は利用者さんからすると「苦痛なものである事」を教えて下さった時は、目から鱗が落ちるようでした。

それからは、高齢者介護での経験の中で最低限の技術と知識だけ残し、後は現場で色々とわからない事は聞いて回りました。

重度訪問介護においては、基本「1対1」の介護で行う為、クライアントとコミュニケーションを図る時間を多く取れます。施設介護のような介護を行うとクライアントは【モノ】扱いされていると感じ、不快な思いをされることが多々あります。

クライアント主体の介護とは、しっかりとコミュニケーションを図り、クライアントの意思、主張に伴い“受け身”の介護を行う事です。

クライアントの想いをアテンダントがサポート出来るように、クライアントの病状やADLだけでなく、性格や家庭環境、バックボーンをしっかり把握していく事も大切となります。

私も、今はオフィスマネージャーの立場として、特に高齢者介護経験のある方には、私の体験談も含めて、この【クライアント主体の介護】についての難しさを伝えております。

長年培った経験と自信を「一部捨てないといけない葛藤」も含めて、シフトチェンジの難しさはありますが、クライアントの在宅生活を充実させて行く為、また、探し求める小さな声に耳を傾ける為には、必要不可欠となるはずです。

プロフィール
三浦仁義 ホームケア土屋 九州

地元の大学卒業後、営業や飲食業を転々とする。

28歳の時にハローワークの職業訓練にて、ヘルパー2級を取得。
地元の有料老人ホームに就職する。

その後、自身の視野を広げる為に、グループホームや重度訪問介護の他事業所、特別養護老人ホームを経て、令和元年5月に前会社に就職。

令和2年4月にコーディネーター昇格、
令和3年9月より、ホームケア土屋 久留米事業所のオフィスマネージャーに就任。

保有資格:介護福祉士。

昨年、5年ぶりにサッカーを再開。40代オーバーのリーグに登録して、日々奮闘中。

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