介護って、人と人が平等になるためにあるんじゃないだろうか~介護と私~
竹内利文(ホームケア土屋 静岡)
今から約4年前、私は24年間勤務した金融関係の会社を転勤を理由に退職しました。
その後1社、別の業界を挟み、縁あってこの業界に飛び込みました。
「まさか自分が介護業界に…」と思いましたが、それ以上に妻や周囲の人達の方が驚いていたのを覚えています。
今まで私にとって、介護とは「どちらかの立場でいずれ経験するもの」と考えていました。
しかし、この業界に入った事でその時期が急激に早まり、そしてより深く介護を経験していると思います。
入社して2年半程になりますが、以降私は様々なクライアントに接し、短いながらも様々な経験をしました。
良い事、悪い事、嬉しい事、嫌な事…本当に色々とありました。
ただ、総じて後から来る「達成感」を感じていたのも事実です。
では、何故「達成感」を感じていたのか?
私は他人に対し、相談に乗る・手を貸すなど何かをした時に、相手の嬉しそうな顔を見る事に喜びを感じます。
そういった性格も影響していると思いますが、重度訪問介護という誰にでも出来る事ではない行為をしているということが「達成感」→「満足感」となっているのだと思います。
介護とは、改めて私に合っている仕事なのだろうと感じています。
ですが、介護全般が得意な訳ではなく、苦手な手技もあれば未経験の手技もあります。
このコラムを書いていて思ったのですが、私の介護は多分、押し売り的で自己満足しているだけなのではないか…と感じてしまいました。
正直に言うと、接してきた全てのクライアントに対し同じ気持ちで接する事が出来た訳ではありません。
その方の性格もそうですが、病状によっても変わっていたのも事実です。
「人間は感情の生き物だ」と言う人がいます。この意見には大賛成で、正にその通りだと思います。
クライアントと良い事があれば「良い人」、逆であれば逆。当然、前者との関係性が良くなり、支援内容も濃くなってしまいます。
当社は、クライアントとアテンダントは平等であると謳っています。
実際、どれくらいの現場でこの考え通りの関係性が築けているのでしょうか?
クライアントの要望を全て受け入れて支援していては、時間が足りない、身体が持たない、気力が持たない等もあると思います。
私の中で介護とは、クライアントとアテンダントが共に関係性を平等に築けた時に、初めて本当の意味での「介護」関係が成立するのではと考えています。
互いに理解し、歩み寄って共存できる関係性作りを目指して、今後も自問自答しながら従事していきたいと思います。