私の背中を押してくれるふたつの「介護」~介護と私~ / 白鳥美香子(ホームケア土屋 仙台)

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私の背中を押してくれるふたつの「介護」~介護と私~
白鳥美香子(ホームケア土屋 仙台)

私には高校3年生の息子がいます。

息子は脳性麻痺を患っており、全介助が必要不可欠となっています。

そのため、現在の仕事を始める前から介護に携わっていました。

息子が小さいときは介護をしているという意識はなく、兄と姉の育児と同じでした。

しかし、息子が3才になる頃、障害者手帳を取得し、幼稚園ではなく児童発達支援センターの通園施設に通い始めると健常児との違いがハッキリしてきました。

体が大きくなってくると息子の力が強くなり、筋緊張が顕著に現れ始めました。

今までの育児と同様にはいかなくなり、介護をしているという意識が強くなりました。

現在は支援学校、放課後デイに通っているため、介護の負担は軽減されています。

しかし、支援学校の課程が修了し、今後は自分だけで介護をするということを考えると将来への不安が強くなってきました。

そこで、介護技術や障害福祉サービスに対する知識を深めることで介護の負担を減らし、より良い介護をすることができるのではないかと思いました。

これが介護業界に身を置くことになったきっかけです。

実際に重度訪問介護のお仕事に就いたときは、単なるお世話というわけではなく、その人らしい生き方に寄り添いサポートするお仕事だと思いました。

施設ではなく、自宅で暮らしたい、家族と一緒に過ごしたい、をお手伝いすることができる素敵なお仕事だと実感しました。

もちろん、素敵な事ばかりではありません。

長時間労働で体力がきつく、1対1なので相手との相性を考えながら適切なコミュニケーションを取らなければいけません。

このように、肉体的にも精神的にも大変なお仕事です。

しかし、体の動かない方の介護には息子の介護の経験を生かすことができました。

コミュニケーションに関しても、必死に相手の意思を汲み取る姿勢は息子に対するものと変わりません。

また、身内に要介護者がいるため、家族の気持ちに人一倍寄り添うことができました。

一方で、介護業界に身を置いてから息子の介護も変化しました。

息子は返事をすることなどはできるのですが、その他の細かいことを伝えることが難しいので、すれ違いが起きてしまうこともありました。

実際に意思疎通ができる要介護の方と接することで、息子が望んでいることが少しずつではありますが、わかってきました。

今後も様々な現場、クライアント、アテンダント、これから介護を仕事にしようと考えている人、介護をしなくてはいけなくなった人たちに接する機会があると思います。

身内に要介護者がいるという立場から皆さんの力になり、より良いサポート、サービスを提供できるように精進して参ります。

そして、息子にとっても心地の良い環境をつくっていけたらいいなと思います。

プロフィール
白鳥美香子(しらとりみかこ)

介護福祉士
重度の障害児の母

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