多くの人が見過ごす問題にあえて取り組む~重度訪問介護の資格を取って働いてみて思うこと~ / 秦 明雄

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多くの人が見過ごす問題にあえて取り組む~重度訪問介護の資格を取って働いてみて思うこと~
秦 明雄(ホームケア土屋 かながわ)

私が働いてみて思うこと、それは綺麗事や建前を抜きに本音で言うなら、本当に大変だということです。

いきなり弱音を吐いているのではありません。

多くの方がご存知のとおり、今日までずっと介護業界は慢性的かつ深刻な人手不足に陥っています。

そんな介護業界の中でも、重度訪問介護サービスを利用される利用者(重度障がい者)は、訪問介護職員(ヘルパー)の支援を365日24時間必要とされる方も多い中で、アテンダントをはじめ、バックオフィスに至るまで、働く私たちには高い水準の介護スキルと仕事に対する高い意識が求められます。

しかし、介護経験や介護資格を取得しないと出来ないのかというと、当たり前のことですが誰もが初めて介護の仕事にチャレンジするときは未経験であり、また無資格なのです。

私も今から2年3ヵ月前に意を決して、重度訪問介護の世界にチャレンジしたときは右も左も、さらには上も下も何ひとつ分からない未経験者かつ無資格者だったのです。

そんな私がこの仕事は本当に大変だと思いながら、今もこうして続けているのは大変だと思う気持ち以上に、この仕事が今の日本社会において、ひいてはこれからの日本社会において、ますます重要な仕事であることを毎日痛感しているので、利用者のためにも私自身のためにも、ちょっとやそっとのことで辞めるわけにはいかないのです。

なぜなら訪問する利用者のお宅では、ご家族も含めて利用者の人生模様を肌で感じることができます。

そして、その光景や支援を通じて経験するすべての出来事が、これからの新しい日本の未来を創造していると感じ、また私自身を果てしない成長の道へと導いてくれているのを感じているからです。

そうはいっても、そんな思いとは裏腹に理想と現実とのギャップに葛藤したり、時には苦しんだりしているのも正直事実です。

しかし、そういう感情を私自身が感じるからこそ「人の役に立ちたい!」「少しでも社会貢献したい!」「ありがとうと言ってもらえるような仕事をしたい!」と、希望と期待を胸に重度訪問介護の職に就いたにもかかわらず思い半ばでなぜ辞めてしまうのか、そのお気持ちを理解することが十分できるのです。

だからといって、今の重度訪問介護が抱える問題や課題に対して否定的な感情を抱きながら働いていては、解決の糸口が見いだせず、袋小路に迷いこんでしまいます。

しっかりとそれに対して目を背けず向き合いながら、問題の本質を見極めていける眼力をさらに磨いていきたいと思っております。

最後までお読みいただき、深謝いたします。

プロフィール
秦 明雄 ホームケア土屋 かながわ

関東ブロック  ホームケア土屋 かながわ
エリアマネージャー

東京生まれの東京育ち。大学卒業後、金融機関の融資部で2年間勤め、その後は飲食業界およびアミューズメント業界での店舗経営・人材コンサルティングに携わる。
2019年より介護業界が抱える課題・問題の解決と、介護職員の社会的地位向上の一助となるべく、介護業界に挑戦する。

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