理念の先にある景色に向かって
小川力信(ホームケア土屋 関東)
幸せは歩いてこない、だから歩いてゆくんだね~。
という事で20年働いた古巣の老健から土屋に転職してはや10か月。
幸せにむかって心機一転歩き出したわけですが、そもそも自分が感じる「介護の仕事における幸せ」とは何なのか?を考えてみました。
前職の老健では、ケアを通じてスタッフと共感する事に幸せを感じていました。
幸せというと大げさですが、スタッフが実践したケアにより利用者のポジティブな反応を見て一緒に喜ぶ事が何より楽しかったし、そこが介護の面白さだと感じていました。
要するに利用者を通じてスタッフの満足度を高める事に喜びや遣り甲斐を感じていたのだと思います。
そこで2022年、土屋においても、「クライアントを通じてアテンダントの満足度を高めていきたい」という事を私の抱負にしたいと思います。
さて、そうは言ったものの施設高齢者支援と在宅障害者支援では環境も介入方法も違います。
ケアの実践⇒クライアントのポジティブな変化⇒アテンダント同士の共感⇒モチベーション向上を実践していく為の成功事例を作っていく為にはどうしたらよいものか・・・。
その視点から重度訪問の現場に目を向けてみると、支援に入っている多くのアテンダントは、目の前の支援(クライアントから希望された支援)をこなす事に力を注いでいるという事に気付きました。
まぁ当たり前ですが。(笑)
在宅での個別ニーズに応える事は非常に大切な事であり、小さな声に耳を傾けるという理念にも通じます。
しかし、ひとつ間違えると「言われた事しか出来ないアテンダント」を大量に排出する事になりそうです。
そしてこれは経験談ですが、言われた事だけやる介護は、ものすごーくつまらない。
もっと介護を面白く感じて仕事をしていくためにどうしたらいいか・・・。
そのヒントをくれたのは一人のクライアントでした。
この方は7年前にALSになりましたが、それまでは交響楽団のマリンバ奏者で有名な方でした。
自分は死ぬまで音楽を続けるという強い思いがあり、その思いに共感した家族、医者、理学療法士、作業療法士、看護師、介護職が在宅支援チームとなり、病気の進行で手が使えなくなっても足で音を出せるように手作りの機械を作ったり、体が支えられなくなっても頭部が前屈しないよう保持しながら座位が維持できる支柱を作ったりしながら全力でサポートする事で、7年経過した今でも音楽を続けていらっしゃいます。
まさに活きるを支える支援です。
もちろん信頼関係を構築してからですが、クライアントの自己実現の為にアテンダントは何が提案できるのかを考え、主体的に提案、実践していけるようにしていきたい。
言われた事だけやるのではなく、考えて実践する介護のほうが断然面白いからです。
この考え方は高齢者支援では当たり前でしたが、環境も介入方法も違う障害者支援でそれを実現できたらめちゃくちゃ面白いと思いませんか?
まずはこのクライアントのケースを真似て小さな成功事例をつくりながら、アテンダントが主体的に考えられる環境を作り、小さな声に耳を傾けたその先ある景色を仲間と一緒に見に行きたいと思います。
プロフィール
小川力信 ホームケア土屋 関東
埼玉県川口市在住。
基本的に寂しがり屋。そのわりに一人の時間も好きという面倒な人間です。
妻と子供3人と犬2匹とワイワイ騒がしく暮らしつつ、一人でゲームしたり本を読んだりして毎日楽しく過ごしています。
趣味はキャンプで、焚火をしながらウイスキーを飲むのがたまらなく大好きな43歳です。
介護経験は高齢者支援で20年、最終的には介護老人保健施設の副施設長をしておりましたが、施設の高齢者支援の対局の位置にあるといえる在宅の障害者支援を実践したく土屋に入社。障害支援はホヤホヤの新人1年目です。
保有資格は介護福祉士とケアマネージャーの資格を持っております。
前職では高齢者支援の中でも認知症支援に注力していたこともあり、東京都の認知症介護指導者として地域の認知症啓発や認知症高齢者への支援に没頭していました。
現在は関東ブロックの東京エリアでマネージャーとして従事しています。