フラッシュバック
鈴木聖
私が土屋に入社してから早1年が経過した。
今振り返って覚えているのは、新しい世界に飛び込む興奮と、必要なものはすべて取り込んで力をつけていきたい、と考える向上心だけである。
11月より前はバンドの活動に終止符を打って、さぁどうしよう、とか趣味ってなんだっけ、みたいなことを考えていた気がする。
最近何気なく聴いた楽曲が、失いかけていた想いをフラッシュバックする体験があったので、ちょっとしたエピソードと共に紹介したいと思う。
①週末を待ちくたびれる大人
King Gnuが”Flash”をリリースしたころに出演したバズリズムのステージに、同イベントで横浜アリーナに出演した知人のバンドがいる。
彼らは若く尖った楽曲を武器に、下北沢界隈で大きく人気を集めていたバンドだ。
そんなバンドがいろいろな騒動で活休する前にリリースしたアルバムのなかに「週末を待ちくたびれて」という曲がある。
とあるWEBマガジンインタビューでは、
「週末を待ちくたびれて過ごすような、平日をすり減らして生きる大人になりたくない」
という楽曲紹介をコメントしていた。
②時間だけを過ごして成長した大人
北海道の同年代のバンドで、数年前から飛躍的に人気を集めているバンドがいる。
自主イベントで北海道の苫小牧市に全国各地からブッキングで出演したいバンドを募って、その全バンドを出演させたかと思えば、安達祐実がそのバンドTを着用したことで界隈ではニュースになった特異なバンドである。
そんな彼らが故郷苫小牧から札幌に活動拠点を移した初期のころにやっていた曲で「Ohh,Fxxk Off The Sinior!」というものがある。
あるライブ動画で、この曲の演奏直前に「なんとなく時間だけ過ごしてきた大人は尊敬できない」というMCをぽろっとこぼした。
両バンドとも紹介した楽曲では痛烈なメッセージを残しているのだが、やはり少し前の自分は同じようなことを考えていたはずである。
匂いと同じで、音楽も耳にすることでそのときの記憶が鮮明に蘇る瞬間がある。
そんなフラッシュバック体験をするほど、自分は何か失いかけ、焦っているのだろうか。
今よりも若いころに描いた「かっこいい大人像」になっているのだろうか。
2年目に突入し、引き続き人事領域で闘う自分に求めることは、
「働く経験のすべてが日々の楽しみにつながること」
をより深く追求していくことである。
若い時の想いがすべてだとは考えないが、自分にとってかっこいいと思える自分像はいつまでも色褪せないように持っていたい。
フラッシュバックできるうちに。
プロフィール
鈴木聖 (すずき せい)
1993年8月31日生
埼玉県所沢市生まれ北海道育ち。
一度SEの定職に就くも、本格的な音楽活動へのシフトと「お客さんの顔が見えるところで働きたい」という思いからカフェ・アパレルの接客業フリーター兼バンドマンへと転身。
色々経た後、縁あって株式会社土屋人事部の若手代表として「働く経験をすべて楽しむことに繋げたい」というemoな目標を掲げて奮闘中。