先入観を持たない。「ラベリング効果」の功罪 / 松岡沙季

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先入観を持たない。「ラベリング効果」の功罪
松岡沙季(ホームケア土屋大阪)

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

新年にちなんで、「新しい気持ち」を持つためには、どんなことをすればいいのかということを、お話しさせていただきたいと思います。

『ラベリング効果』を知っているでしょうか。

所謂、「レッテルを貼る」というものです。

これは認知のバイアス(偏り)で物事を型にはめて一括りに判断することです。

例えば、「A型の人は几帳面で神経質、B型は自己中心的、O型はおおらかでAB型は変人…」という話を聞いた人は多いのではないでしょうか。

現在性格と血液型の因果関係はないと考えられています。

確かに、私はA型ですが、部屋がほこりにまみれていようとも気にならない(笑)ですし、家族や友人には変わってると言われてきました。几帳面で神経質な部分が出るのは本の並べ方くらいです。

自己中心的なのは、人間であれば誰でもそういう面を持っていそうです。

この血液型の話がいつ頃出たのかは、はっきり覚えていませんが、この話のせいで面接を落とされたという人がいたり、「面接官もA型しかとらない」と言っている人も見たことがあります。

「B型の人とは相性が悪いから」と、言っている人もよく見ます。
この診断結果だとB型の人はかなり悪い影響があります。

私たちは、「無意識に他の人に貼られたレッテル」にしたがって、行動するようになります。

性格形成は遺伝と環境が大きく関わるのですが、ラベリング効果は「良い影響も悪い影響」も与えます。

親や先生に、期待されている子供は成績が上がったり、逆に期待されない、問題のある子だと見られていると問題行動を起こすようになったりします。

では、なぜ人間はレッテルを貼るのかというと、「脳の処理が簡単」だからです。

今までの経験から、こういう人にはこう対応しようという行動手順のようなものが出来上がっており、無の状態で一から行動や言動を決断することは脳にとって大きなストレスになります。

人間関係のルーティンを作っていて、無意識に対応できるようにして「疲労を防いでいる」わけです。

私は、クライアントと初めて会ったときは、事前に聞いていることがあっても、「何も聞いていない状態だ」と思って挨拶を行います。

「そういう人なんだ」と思って接してしまうと、無意識に行動や言動に出てしまいかねないからです。

私の態度から、無意識にその人が「こう見られているのだから、こういう行動をとろう」と判断してしまわれるのは、こちらにとってもあまりよくないと感じています。

「本当のその人」を知るには、コミュニケーションを取る以外に方法はありませんから、できる限りレッテルを貼らないように注意しています。

そうは思っていても、私も人間なもので苦手な人もいるし、レッテルを貼っていることも多いです。

先入観を持たずに関係を作っていく努力を続けていけたらと思っています。

プロフィール
松岡沙季 ホームケア土屋大阪

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