『クライアントインタビュー』石塚樹里さん(ホームケア土屋山形)【前編】

目次

今日、今、生きている。一つ、挑戦しよう。~難しいことはまだない。わからないけど、きっと大丈夫。~

“クライアント”と一概に言っても、それぞれの生き方、それぞれにちがう生活があります。

今回、お話を伺うのは山形県に住む石塚樹里(いしづかじゅり)さん。
先日、20歳になったばかりという樹里さんにとって、この1年は大きな変化のあった1年でもありました。

かねてから「高等部を卒業したら、働いてみたい」という思いを抱いていた樹里さんは2023年4月、那須建設株式会社に正社員として就職したのです。

樹里さんが住む山形県長井市でも初の試みとなった「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」。
自治体・企業・雇用支援を行う独立行政法人・サービス提供事業者がひとつのチームとなって連携し、樹里さんの“働く日々”がはじまりました。

前半のインタビューでは、働く喜びとともにある今、何気ない日常や好きなこと、これまでとこれからの自分――日々の中でどんなものに囲まれ、どんな時間を送っているのかを尋ねます。

zoomインタビュー参加者

石塚樹里さん(クライアント)
石塚智代さん(いしづかさちよさん/樹里さんのお母さま)
石塚あさ子さん(いしづかあさこさん/樹里さんのおばあさま)
荒木友子さん(あらきともこ/ホームケア土屋山形・アテンダント)
佐藤志津子さん(さとうしづこ/ホームケア土屋山形・オフィスマネージャー)

樹里さんは1歳になる前に気管切開をされており、音声としての声は出にくいのですが、口や舌を使って“ちぇちぇ”と音を出す方法を独自に開発し、人と喋ったり、歌ったりをされています。

「音としては聞き取りにくいところもあるんですが、私たちと同じように会話しているし、口の動きも普通の人と変わらないので、樹里の隣に長くいると何を言っているのかがわかるようになってきますよ」とお母さまの智代さん。

今回は、樹里さんとお母さまの智代さんから、お話を伺いました。

1. 好きなことは、歌うこと

インタビュアー

―好きなことはなんですか?

樹里さん

好きなことは、歌を歌うことです。

智代さん

最近はどんな歌を歌ってますか。

樹里さん

最近はMrs. GREEN APPLEにはまっています。

智代さん

なんていう歌?

樹里さん

『ケセラセラ』。

インタビュアー

―曲のメロディーや歌詞、どんなところが好きですか。

智代さん

リズムですかね。

▸得意なことや苦手なもの

インタビュアー

―では得意なことはなんですか?

智代さん

得意なことは歌を歌うこともそうですし、記憶力がいいので全部覚えちゃう。

昔のことも鮮明に覚えていて、「昔はこうだったね」なんていうこともあります。

インタビュアー

―苦手なものはありますか?

智代さん

大きい音ですね。雷の音とか、振動したり、ブルブルブルっていうのが苦手で。ちっちゃい時からそんな感じなんです。

掃除機をかけると逃げてしまうので、小さい頃は掃除もなかなかできなかったですね(笑)。

樹里は耳がいいんですよね。
私たちは、大人になって聞こえなくなってる音も多いんですが、「ほら、おばあちゃんの携帯が鳴ったよ」とか「誰かから電話が来たよ」っていうのをすぐに教えてくれます。

地震も早くに感じて、教えてくれますね。
私は全然わからないんですが(笑)、震度1とか2でもすぐに気づいて、「地震、地震!」って。

2.“大人の心得”

インタビュアー

―本は読まれますか?

智代さん

本は長井市立図書館が新しくできたので、そこに行って借りてきてます。先日、誕生日だったのでお父さんに本を買ってもらったんだよね。

何の本を買ってもらったんだっけ?

樹里さん

お勉強の本。

智代さん

それが『大人の心得』みたいな本なんです(笑)。
それはお父さんが選んでなくて、樹里が「こういう方が欲しいから買ってほしい」ってリストアップしました。

インタビュアー

―樹里さんはなぜその本が欲しかったんですか?

樹里さん

大人になって「もうちょっと難しい本を読んだ方がいいのかな」と思って(笑)。

インタビュアー

―読んでみてどうでした?

樹里さん

勉強になってます。役に立つといいですね。

インタビュアー

―樹里さんはお誕生日を迎えたばかりなんですね。
おめでとうございます!

これまで、樹里さんが誕生日にリクエストしたものにはどんなものがありましたか?

智代さん

樹里はあまり物欲がなくてですね(笑)。
誕生日とか、クリスマスとかイベント的なことがあって「何が欲しい?」って聞くと教えてはくれるんですが、常に何かが欲しいとか、どこかに行きたいとかはあまりないですね。

食べたいものはあるかもしれませんが。

▸好きな食べ物

インタビュアー

―食べ物はどんなものが好きなんですか?

樹里さん

お肉。焼肉がいい。

インタビュアー

―モリモリ食べますか?

樹里さん

モリモリ食べます(笑)。

智代さん

お菓子も好きですね。

樹里さん

最近はパチパチキャンディー。

智代さん

食べると口の中でキャンディーが弾けて、パチパチパチパチってなるお菓子ですね。

口の中でパチパチしてる感覚に今、ハマってるんです。

3.わたしのたからもの

インタビュアー

―樹里さんのチャームポイントはなんですか?

樹里さん

お口です。

インタビュアー

―お口のどんなところですか?

樹里さん

いっぱいお話ができる。発音はちょっと聞き取りづらいところもありますけど、お話できるし、歌も歌えるし、みんなと仲良くなれるので。

智代さん

やっぱりお話ができないと、コミュニケーションなかなか取れないので。だからお口ですかね。

インタビュアー

―おしゃべり以外に、スマホ等で友達とやり取りもよくされますか?

智代さん

スマホがあるので、お友達になった人とL I N Eでお話ししてます。
でも筆談等は使わないで、口でのコミュニケーションがほとんどです。

みなさん、隣にいて慣れていただくと大体、樹里の言っていることはわかっていただけるので。

インタビュアー

―性格や内面的な部分で、チャームポイントだと思うのはどんなところですか。

智代さん

みんなとコミュニケーションを取るのが上手なので、周りに常にわーってお友達がいます。

いつもお友達がたくさん集まって、樹里の周りは賑やかです。
やっぱり性格が明るいんでしょうかね。

インタビュアー

―では、樹里さんの宝物はなんですか?

智代さん

今乗ってる電動車椅子があるんですが、これが樹里にとっては1番の宝物ですね。

電動車椅子に乗ることで自分が行きたいところにも行けるし、お家の中も自由自在に動けるので、自由を与えられた感じです。

それまでは手動の車椅子だったので、行きたいところがあれば「あっちに連れていって」 と周りの人に伝えないと動けなかったんですが、電動車椅子は自分の足のような感じなので、それが1番だね。

インタビュアー

―電動車椅子はいつから使っているんですか。

智代さん

小学校4年生から乗ってます。

インタビュアー

―最初に乗った時はどんな気持ちでした?

樹里さん

やっと自分で動けるようになって。

智代さん

嬉しかったですか?

樹里さん

嬉しかった。

インタビュアー

―あちこち行ってみたりしましたか?

智代さん

その時は、校外には出れずに、使えたのは学校の敷地内だけだったんです。
学校を出れば段差もあるし、フラットなところじゃないと危ないので校内限定だったんです。

4. 一日の過ごし方

▸テレビ鑑賞や買い物や――こんなふうに一日を過ごしています

インタビュアー

―平日はどんなふうに過ごされていますか?

智代さん

お仕事は週3回ですね。月曜日・火曜日・金曜日の8時から17時までです。

働いている間に導尿するヘルパーさんが2回、リハビリの方が1回入ってくれて、休憩を取りながら働いています。

水曜日と木曜日は『バンビーナ』という生活介護事業所(児童発達支援や放課後デイ等の多機能型事業所)に行っています。

そこは大人だけでなく、赤ちゃんもいるんです。
行くと樹里は「お姉ちゃん、お姉ちゃん」なんて慕われて、小さいお子さんの面倒を見たり、活動したり。

9時から17時半まで利用してます。

インタビュアー

―お休みの日はどうでしょうか。

智代さん

お休みは、基本的に土曜日と日曜日です。土曜日は私が仕事なので、おばあちゃんと1日家にいますね。土曜日は何をしていますか?

樹里さん

テレビを見たり、ipadと自分の携帯をいじったり。あと、ゆっくり過ごしています。

智代さん

日曜日は私も一緒なので、外にお出かけしたり、お買い物に行っています。

インタビュアー

―テレビはどんな番組を見ているんですか?

樹里さん

歌番組は必ず見ます。
あとは『突破ファイル』『ニンゲン観察バラエティー モニタリング』とか。その時やっているドラマも好きです。

インタビュアー

―映画や動画も見ますか?

智代さん

映画は映画館で見てますね。いつも何みてるんだっけ?

樹里さん

『プリキュア』。

インタビュアー

―日曜日に外出される時は、どんなところに行かれるんですか。

智代さん

そんなに遠くじゃないところだったら、スーパーや100円ショップに行ってます。

インタビュアー

―お休みの日はお友達と一緒に過ごすことも多いですか?

智代さん

過ごすのもそうですが、ipadとLINEが多いね。
毎日、LINEでお友達とやり取りして喋ってるみたいです(笑)。

5. 「樹里さんのすてきなところ」

インタビュアー

―ではここで、普段から樹里さんと関わられているお二人にお話を伺います。荒木さんは樹里さんと関わられてどれくらいになるんでしょうか。

荒木さん

樹里さんが土屋と関わったのが2023年の5月からで、そこから関わらせていただいたので、1年ちょっとになりますね。

インタビュアー

―普段、どんな関わりをしているんでしょうか。

荒木さん

樹里さんの就労支援ということで、例えばプリントをめくったり、わからないところがあったら2人で調べたり、そういったサポートをしております。

インタビュアー

―樹里さんのチャームポイントをどんなところに感じますか?

荒木さん

樹里さんのチャームポイントはまず第1に笑顔ですね。
家に入るたびに笑顔で、元気のいい挨拶で迎えてくださること。

それから帰り際も笑顔で送ってくださるので、常に笑い声が絶えないんです。

どのヘルパーも言っていますが、「樹里さんのお宅に訪問すると心が休まる」ってーー私もいつも心が休まっております。

インタビュアー

―樹里さんと過ごす中で、印象に残ってるエピソードはありますか。

荒木さん

常にエピソードだらけです(笑)。
……というのは冗談ですが、樹里さんは「仕事は仕事、休憩は休憩」と、ちゃんと区切りをされているんです。

休憩の時は2人で笑ったり、『プリキュア』の話をしたり、和やかに過ごしています。

インタビュアー

―佐藤志津子さんは、樹里さんやお母さまとはいつ頃から関わられたんでしょうか。

佐藤さん

樹里さんの就労支援そのものは2023年5月から始まったんですが、お母さまはその前から就労支援の手続きや相談などで奔走されていました。

現在就労している那須建設さんとの打ち合わせを2、3か月前から何度も重ね、ようやく就労支援が開始となったんですね。

インタビュアー

―その時から樹里さんの様子をご覧になっていて、どんなことを思いますか?

佐藤さん

樹里さんは、就労された当初から見ると、パソコン作業がものすごいスピードでスキルアップしています。

最初は、“我々スタッフがつい手を出してしまう”という状況があったんですがーー今は、ご自身でされること、指示を出されることが増えています。

付箋を剥がして字を書いたり、ページをめくる時はまずは我々が見守りをして、「これは自分ではできないな、お願いしなくちゃいけないな」という判断を樹里さんがされて、樹里さんから「お願いします」と言われてから私たちが動くというスタンスになっていますね。

この1年で、精神的にも人としてもものすごく成長されているなぁと日々、感じているところです。

先ほど、荒木さんも言いましたが、樹里さんは笑顔が素晴らしくいいんです。

今回、記事で使うためにいただいた写真も全部笑顔なんですよね。我々も癒されてます。

6. 学校生活の思い出

インタビュアー

―学校生活で思い出に残っていることはありますか?

智代さん

小中高一貫の養護学校に行ったんですが、「生徒会長になりたい」っていう長年の夢があって、高等部の時に念願叶って生徒会長になったんです。それが最高の思い出ですね。

インタビュアー

―なぜ生徒会長になりたいと思ったんですか?

智代さん

なぜって言われると困るね(笑)ーーでも、ずっと「生徒会長になりたい」って言ってました。

生徒会長は高等部2年生にならないと立候補ができないので、それまでは我慢して(笑)、生徒会の役員をずっとやってました。

あの時はたしか、3人ぐらい立候補者がいたのかな。
樹里は選挙活動をして「どういうことを頑張りたいか」をみんなの前で演説して、生徒のみなさんから投票してもらって、当選したんです。

インタビュアー

―憧れの生徒会長とか、そんな先輩がいらしたんですか?

智代さん

そういう人はいたわけではないんですが、樹里はけっこう注目してもらいたいところがあるんです。

もちろん緊張もするんですが、人前で挨拶したり、発表することが好きなんですよね。

「目立ちたかった」っていうのが1番だったんじゃないかなとは思います(笑)。

インタビュアー

―生徒会長になって行なった活動で印象に残っているものはありますか?

智代さん

挨拶運動と言って、校内を回って挨拶して歩いたんだよね。みんなに「おはようございます」って言って。

樹里さん

……忘れちゃった。

智代さん

っていうことをしていたんだけど、忘れちゃったみたいです(笑)。

7. 仕事にも慣れてきました

インタビュアー

―今はどんなお仕事をされてるんですか。

智代さん

パソコン入力をしています。
総務課に所属してますので、事務作業がほとんどです。

「今日はこれをしてください」と、会社から自宅に仕事を持ってきてもらっているんです。
毎日同じ内容ではなくて、いろんな仕事をしているようです。

インタビュアー

―ご自宅で働かれているんですか?

智代さん

会社はバリアフリーになってないので、会社の中にはまだ行ったことがなくて。すぐ近くなんですが。

インタビュアー

―お仕事を始められてから感じた、仕事の喜びはどんなところですか。

樹里さん

自分でお仕事やりきったっていう達成感。あとはお給料もらった時です。

インタビュアー

―ちなみに最初のお給料ではどんなものを買いましたか。

智代さん

初任給では、おばあちゃんとお母さんにケーキをご馳走してくれました。

樹里さん

あとは自分の服を買ったり。あとは貯金してます。

インタビュアー

―お仕事の中で、大変なことはありましたか?

智代さん

最初は難しかったね。
学校ではパソコンではなくipadにアプリを入れてタッチパネルで授業を進めてたものですから、パソコン自体、ほとんど使ったことがなくて。

パソコンを使いはじめたのが就労の3か月前ぐらいで、ローマ字も読めないし、何もできなかったんですよ。

そこからの就職だったものですから、最初は大変でした。

インタビュアー

―その3ヶ月の間に、ローマ字やキーボードを学ばれたんですか?

智代さん

最初はカーソルで入力をしていたんですが、カーソルだと矢印が定まりにくく、樹里には使いにくかったんです。

就職してから、「キーボードで入力した方がいいんじゃないか」という話になって、試行錯誤しながら今に至ってます。

でも、もともとはほとんどできなかったものだから、学校の先生が来た時に樹里があまりに仕事ができるので、「こんなにできるようになったんだ!」とびっくりされましたね(笑)。

インタビュアー

―仕事をする前と今の樹里さんでは、どんなところが変わりましたか?

智代さん

変わったのはスムーズに仕事が進められるようになったことですかね。
仕事にもパソコンにも慣れてきましたか?

樹里さん

はい。

智代さん

難しいことはありますか?

樹里さん

まだない。大丈夫。わからないけどできる(笑)。

インタビュアー

―荒木さんは、樹里さんと1年過ごしてきた中でどんな変化を感じていますか?

荒木さん

先ほどの話でもあったように、最初はローマ字の文字盤を見ながら打っていたところもあったんですが、今ではそれを見ずにパパっとキーを打つようになりました。

那須建設さんのスタッフの方からも、パソコンの機能やコピー機の使い方を教えていただいたり、ヘルパーの中にもパソコンに強い方がいるので、「こういう機能を使うといいよ」とアドバイスをもらうと樹里さんはすぐ習得されて、仕事に活かしています。

1年で本当に仕事が早くなりましたね。逆に私の方が教わってます(笑)。

インタビュアー

―内面的な変化も感じられていますか。

荒木さん

最初の頃は「この仕事はこうした方がいいんじゃないか」「休憩取りますか?」と、ヘルパー側から声がけをしていたんです。

でも今は樹里さんの方から「今から休憩します」「仕事はここまでで終わります」とはっきり仰ってくださいます。

仕事にとても意欲的で、どのヘルパーも「仕事に向かう姿勢が本当に素晴らしい」と言ってますね。

こちらが頭が下がる思いです。

8.小さい子が大好き

インタビュアー

―今、就労されている那須建築さんとは別に、バンビーナという生活介護事業所にも行かれています。

そこではどんなことをされてるんですか?

智代さん

バンビーナでは体の状態がいろいろな方が利用していることもあって、「日常で生活するにあたってできそうなことをみんなでやりましょう」というような場所なんです。

例えば利用者さんから回収したペットボトルのラベルを剥がしてリサイクルに出したり、そういった活動をしてますね。

あとは園内であるイベントの先生方のお手伝いとかね。
イベントの飾りを作る時には一緒に絵を描いたり、制作したりしてます。

インタビュアー

―小さいお子さんもいらっしゃるそうですね。
樹里さんは子どもたちと関わるのはお好きですか?

智代さん

小さい子が大好きなんですよね。子どもたちの方から寄ってきます。樹里の手を握ったり、離れなかったり、好かれてるのかな。何して遊んであげてるんですか?

樹里さん

遊んでるっていうよりも、見守ってるって感じ。“見張ってる“みたいな(笑)。

智代さん

あとは寝かしつけね。
樹里がゆらゆらしてあげて、2歳くらいのお子さんのお昼寝のお手伝いをしてます。

そうすると寝てくれるので、先生も助かるんだよね。

9.これから叶えてみたいこと

▸嬉しかったことや幸せを感じるとき

インタビュアー

―最近、嬉しかったのはどんなことですか?

智代さん

先日、20歳の誕生日を迎えて念願の“ビール”を飲んでみたんです。
それは前々から「20歳になったらビールが飲みたい」っていう願望が樹里にはありまして。

ちょっと飲んでみたんですけど、それが美味しかった。
ガンガン飲んだわけではないですけれど、そんなに顔が赤くならなくて「お酒は大丈夫だ」ということがわかりましたね。

というわけで、最近、お酒デビューしました(笑)。

インタビュアー

―最近悲しかったことはありますか?

樹里さん

悲しかったことはないです。

インタビュアー

―樹里さんが「今、幸せだな」と感じる時はどんな時ですか。

樹里さん

美味しいものを食べてる時。
お風呂に入って疲れを取ってる時。
いろんなところに出かけて、いろんな景色を見てる時かな。

インタビュアー

―今、就労支援として重度訪問介護の制度を使っていますが、重訪は他にも様々な使い方ができます。

「これから重訪を使って、こんなことしてみたいな」ということはありますか?

智代さん

「一緒に映画に行ってみたいな」とは思ってます。

▸もしもドラえもんが来たら・・・

インタビュアー

―もしドラえもんが樹里さんのところに来たら……どんな道具を出してもらって、何をしてみたいですか?

樹里さん

どこでもドアを出してもらって、ディズニーランドやサンリオピューロランドに行きたい。

智代さん

ディズニーランドはだいぶ前に、1回だけ行ったことあるんです。
アトラクションも新しくなったし、また行きたいね。

ピューロランドはキティーちゃんに会いたいんだよね。
マイメロディーとかポムポムプリンも好きですし。

インタビュアー

―「こんな大人になりたいな」を教えてください。

樹里さん

誰かのために、役に立つ人間になりたい。

インタビュアー

―思い描く夢はありますか?「どこでもドアが本当にあったらいいな」なんて夢でも。

智代さん

夢が叶うとしたら、何がいい?          
瞬間移動もできるって。行きたいところにパッて行けたら、最高だね。
飛行機にも乗らなくていいのよ。

電車にも車にも乗らなくてもいい。
今はどこに行くにも車に乗っていかなくちゃいけないけど。

樹里さん

……(考え中)

智代さん

その前にドラえもんが欲しいかな。どの家にも1人、ドラえもん。

樹里さん

ドラえもんじゃなくて、ドラミちゃんがいい。

樹里さん・智代さん

病気が治ったらいいんじゃない?
歩けるようになったらいいね。医療が発達してくれて。

自分で歩けるようになりたいね。
そしたら走ることもできるしね。

飛ぶこともできるし、今まで経験したことないこといろいろしてみたいね。

これから出会う仲間やこの記事を読んでる方へメッセージを聞かせてください

インタビュアー

―これからさまざまな技術が発達してくるので、きっと想像もしなかったことができるようになるんじゃないかーーそんな思いもあってお聞きしました。

最後に、これから出会う仲間やこの記事を読まれるクライアントの方たちに向けてメッセージを聞かせてください。

樹里さん

生きている時間を大切に、いろんなことにチャレンジしていきましょう。

・ ・ ・

<後編>樹里さんのお母様・智代さんとおばあさま・あさ子さんへのインタビュー

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