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今日も徒然なるままに / こもとゆみこ

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今日も徒然なるままに
こもとゆみこ

12月7日の閣議決定で、「女性の生き方を真正面から問う小説家として大きな功績をあげ、日本文化に多大な貢献をされた」と、作家で尼層の瀬戸内寂聴さんに、亡くなった11月9日付けで「従三位」を贈ることを決定したそうですね。

「好きな言葉は情熱、情熱がなければ生きていてもつまらない。

『青春は恋と革命』。その情熱を失わないまま死にたいのよ」(13年、朝日新聞の取材から)

青春は恋と革命・・・なるほど、こういう言葉をサラッと言えたらかっこいいですね。

私が情熱を求める対象は「恋」と「革命」では無いけれど、何か情熱を持てるものを見つけて生きられるのって良いなと思いますし、逆に、情熱のない生活をして気持ちから年老いてしまうのは嫌ですね。

また、寂聴さんとは当然内容に違いはあれど、同じく波乱万丈な人生と言われる浅田次郎氏も、「ひとは情熱がなければ生きていけない」という題名の自伝的エッセイ本を出されています。

どんな情熱を持てるものが見つけられるか、それは人が生きていくのにとても大きなことだ。と、先人からの発信で度々気づかされます。

情熱は、無くても生きていけますが、充実した人生を過ごしたければ必要なものです。

今の所私の情熱は、とても一般的なもの、「家族と仕事」に向いています。

その対象のひとりである娘は、浅田次郎氏と同じ誕生日12月13日に14歳になります。

それこそ年が明けたら春からは受験生ですから勉強はもちろんなのですが、これからの長い人生を左右する期間をどう過ごすか自分で考えて貰わなければなりません。

本当にピアニストになる夢に向かって行きたいのであればそれも良し。

しっかり情熱を注いでいってほしいです。

そしてもうひとり、夫も私の情熱の対象です。

対して彼が今の生きがいと情熱をどこに向けているか聞いたことはありませんが、多分、株式会社土屋で間違いないでしょう。

彼は大学卒業後、就職活動で障害を理由に非常に嫌な思いをした上にどこにも入れず、それで生きていく為に翻訳・通訳会社を起こしました。

小さな会社でしたが、35年の間にはリーマンショックも何とか乗り切り、ようやく以前の受注量に戻り始めた時、今度はロシアがウクライナに侵攻し世界から経済制裁を受けました。

この制裁でとどめを刺されたのは、ロシアではなく彼の会社でした。

貿易が止まったものだから翻訳の仕事も激減…いや皆無で、古本家最大の危機でした。

でもね、そこで私が違う仕事を始めようと思い立ち、介護の職に就くために初任者研修を取りに行った先で講師をされていた高浜代表に出会ったこともですし、その後も人の繋がりや縁ってすごいよね!東京に住んでいるのに世間って狭い!と思うことが沢山ありました。

彼が土屋の立ち上げに参加したのは、己の存在価値や情熱を注げるような生き甲斐を求める気持ちはもちろんですが、人との関わりを持ち続ける大切さを知っているからだったと思います。

63歳を過ぎていましたが、自分にとって最後の仕事にするには素晴らしい仕事にするぞという気持ちでいるのだと、傍で見ていて思います。

さて、寂聴さんは「情熱と同じくらい生きていくのに大切なものは愛すること」だともおっしゃっています。

ここでいう愛は、だれか個人的に愛すると言う事ではなくて、人に対する愛情のことだと思います。

重度訪問介護や高齢者介護の仕事を選んで日々クライアントと接しているアテンダントや看護師の皆さんは、他人を愛し、他人から愛されることが人生の幸せや安らぎになると感じる場面を、他の職種の人よりも体験して、よぉくわかっていらっしゃると思います。

そしてそれは、きっとクライアントの方も同じでしょう。

でも人の心はそう簡単なものではありませんから、自分の心も他人の心も大切にと頭ではわかっていても、つい自分の心の方を優先し、気持ちがぶつかり合ってしまうこともあります。

意地悪な態度や乱暴な言葉づかいをしていたのでは心は繋がりません。

どんな瞬間でも、生きていくうえで一番大切な心と心で繋がって、お互いが尊重し合い優しい言葉を掛け合えること、理解し合うことができれば幸せでしょうね。

今日RECOGでお誕生日を迎えた方に「おめでとう」を伝えようとプロフィールを読んでいたら、目標/ありたい姿のところに「3秒の忍耐」と書かれている方がいらっしゃいました。

先日作った『虐待防止マニュアル』の最後の方に、一般的ではありますが、すぐできる対処法として似たようなことを書いたのを思い出しました。

良かったらこのマニュアルの22ページ辺りの前後を読んでみてください。

この方がそれを読んでくださってのことかどうか、また怒りを抑えるための行動と関係があるのかどうかはわかりませんが、自分の気持ちを守りストレスを緩和することにもなりますのでここにも書いておきますね。

・ゆっくり呼吸
怒りのピークを過ぎるまで1.2.3・・・と頭の中でゆっくり数えて深呼吸する。

・その場をいったん離れる
暴力暴言を吐くなどのハラスメントを受けた時、相手からいったん離れて自分とその人が冷静になれる時間を置く。

・手指を動かす
「手をぐーぱー」「指で反対側の手の甲をトントンと叩く」など、相手から見えない程度に手首や体を動かしてみると目の前のことから意識をそらせます。

怒りが込み上がったら「ぐーぱー」をやってみましょう。

・ため込まずSOS
暴力暴言は耐えるのではなく責任者に報告し、しっかりと自分の気持ちを伝えましょう。

情熱をもって、人や自分の心を大切にしながらお仕事している方の、ほんの少しでもお役に立てますように。

プロフィール
こもとゆみこ

050-3733-3443