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副反応を乗り越えた先には、楽園がありました。/ 鶴﨑彩乃

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副反応を乗り越えた先には、楽園がありました。/ 鶴﨑彩乃

副反応を乗り越えた先には、楽園がありました。
鶴﨑彩乃

先日、2度目のコロナワクチンを打った。

「2回目は、しんどくなる人が多い。絶対無理はしたらあかん。分かったな?夜中でもいつでも電話しておいで。気ぃ使ったら分かってんな…?あと、死ぬほど水分摂り。元々、体力ないからめちゃくちゃしんどいかもやけど。頑張れ。これ、乗り切ったらJUJUが城ホールで待ってるわ。」

そう言って接種当日の夜の入浴介助のアテンダントさんは、くしゃっと私の頭をなでて去っていった。

あ、惚れそうです…てか今、惚れました。お姉様。

その日の夜は、激しい悪寒とまあまあ強めの関節痛を抱えながら眠りにつき、何度か起きるたびに水分を舐めるように摂った。そして、接種2日目。

微熱は少しあったが、クラクラはしなかったので車いすに座らせてもらい、できるだけ普段通り過ごした。

微熱はあったものの、横になってしまえば、身動きがとれなくなってしまう私にとっては、車いすに乗っていたほうが安心なのである。

冷蔵庫に行くこともできる・水分補給もできる。

汚い話ではあるが嘔吐だってしやすいのである。

こんな話をすると、「アテンダントさんの来る回数、増やしてもらったら?」と声をかけていただけそうだが、

「しんどいときほど1人になりたい。」欲求が「横になりたい。」という欲求にボロガチする、

私の深層心理にしたがって体調不良を乗り越えていたりするのだが、今回はJUJUと、アテンダントさんが買ってきてくれた梨が心の支えだった。

さて、JUJUのライブ当日。

朝、目を開けて私は確信した「ぜってー行けるやろ?これ。」と。

私は執拗なまでに熱を計り、近年稀に見るテンションの高さでアテンダントさんと合流した。

すると、アテンダントさんが「今日はありがとう。誘ってくれて。」と笑顔で言ってくれた。

その言葉はこちらこそである。

だって、彼女がいてくれなければ今日のチケットは他の人の手に渡っているか、効力を発揮できない私の後悔と失望が詰まったただの紙だったのだから。

先越されたな…。

そのチケットを手に入れたのは、正確には忘れるぐらい前のこと。

ただ、世の中は完全にコロナ禍で、申し込む人も少ないだろうし、もしライブがなくなっても返金されるだろうな。と考えていたので軽い気持ちで応募した。

すると、運がよかったのだろう。チケットが当たった。

そのときは、すごく嬉しくて一緒に行く予定だった人と、「うぉぉー」と盛り上がったものの、案の定延期となった。

一緒に行く予定だった人には、日頃の感謝を込めてチケットをプレゼントする予定だった。

そのため、返金するかどうかは私に一任されたが、なんとなく手放すのがもったいない気がして、そのままにしておいた。

そして、つい先日チケットの発券通知のメールが来て驚いたが、それよりも驚いたのはライブの開催日時。

なんと、1週間後。サーッと血の気が引いていった。

もちろんもっと早く通知は来ていたと思うのだが、見逃していた私が悪いんです。

はい。しかし、1週間でアテンダントさんとの時間調整は正直厳しいと思っていたため、諦めようと思っていた。

そんなとき、訪問してくれたアテンダントさんが「大丈夫?」と声をかけてくれた。

そこで、理由を話すと「私でよかったら一緒に行きませんか。」と言ってくれた。

確かにそのアテンダントさんは、ライブの日の入浴介助と就寝介助の人。

一緒に行ってくれたらすごくありがたい。まさに、女神降臨である。

恐る恐る「ホンマにいいんですか?」ともう一度聞くと、「はいっ、もちろん。」と笑顔が返ってきた。

その後、コーディネーターさんにも協力してもらい、他の事業所のアテンダントさんにも

「絶対行った方がいい。絶対後悔するでぇ。2日前に受けるワクチンの副反応は何とかなると思うし。」と背中を押してもらえた。

ライブ当日は、めちゃくちゃ楽しかった。寿命がのびる感覚・心の洗濯感がハンパじゃなかった。

ライブに行くと、グッズ・過去のライブDVDが欲しくなったり、ファンクラブに入りたくなったり、JUJUに貢いでしまいそうである。

まだ、誘惑には負けてません…でも…敗北寸前ではある。

今回のライブ、アテンダントさんの「一言」がなければ、こんな夢の時間を味わうことはできなかっただろう。

コロナが始まる前であれば、もう少し体力もあったし、腰痛もそこまでひどくはなかったため、意地でも1人で行っていただろう。

しかし、今は厳しい。そのため、アテンダントさんには、感謝しかない。

障害や難病等を抱えている人は、おでかけや旅行に「行きづらい」という人も多いのではないだろうか。

その「行きづらさ」も様々な理由があると思う。

旅行に行きたいけど、介護者が見つからない・行きたい旅行先がバリアフリーじゃないとか、もっと複合的でたくさんの理由があるのだろう。

しかし、外出支援制度や土屋の旅企画「MATAたび」等を使ってたくさんの人に非日常の楽しさを味わってほしい。

今回のライブで、非日常の体験が日常の活力になることを改めて強く実感した私は、1人でも多くの人が素敵な時間を味わえるようになることを願っている。

プロフィール
鶴﨑 彩乃(つるさき あやの)

1991年7月28日生まれ

脳性麻痺のため、幼少期から電動車いすで生活しており、神戸学院大学総合リハビリテーション学部社会リハビリテーション学科を卒業しています。社会福祉士・精神保健福祉士の資格を持っています。

大学を卒業してから現在まで、ひとり暮らしを継続中です。

趣味は、日本史(戦国~明治初期)・漫画・アニメ。結構なガチオタです。

050-3733-3443