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【広報土づくり 令和3年10月号】レポート

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つっちー
みなさま、こんにちは。広報土づくり10月号は、なんと!気になる話題を豪華5本立てでご紹介します♪視覚障害者である水島恵さんへのインタビュー、土屋のSDGsプロジェクトによるクライアントの旅企画、「ペコロスの母に会いに行く」の作者である岡野先生の漫画第二弾、ホームケア土屋の社内研修ってどんなもの?という疑問にお答えするコーナー、株式会社土屋の最高文化責任者の古本聡さんが発信する「こもちゃんTVってなに?」などなど、知っておいて損はない内容となっております!ぜひご覧ください♪

水島恵さんインタビュー

水島恵

当たり前のことを当たり前に。
~障害者の親として~

    プロフィール
  • 水島 恵(56歳)
  • 岡山市在住
  • 視覚障害(先天性緑内障)

■白衣への憧れ

進路を決めたのは小学5年の時です。 病院でマッサージ師として働かれていた大先輩の影響で、「その仕事、いいな」と。子どもの頃は私、本当は看護師になりたかったんです。 けれど小学4、5年の頃、視覚障害は欠格事項で看護師資格すら取れないということが分かった。そこから大人になったらどうしようかと考えた時、大先輩のように白衣を着て病院でできる仕事にとても憧れて、道を決めました。

■夫との出会い

京都府立盲学校には、受験を控えた人が集中的に普通教科を勉強する予備校のような科があります。これは全国の盲学校の中でここにしかないので、後の夫も来ました。岡山からわざわざ。 私はその時19歳、彼が21歳。科は違えど1年間、同じ時を過ごしました。 彼はすでにマッサージ師の資格は持っていましたが、他の進路を受験するために来たんですね。 そして卒業後は徳島の盲学校のリハビリ課に進学。そこから遠距離恋愛が始まりました。

■恋愛、仕事、そして結婚

私は卒業後、京都市内の病院に勤めました。ドクターから患者のカルテが回ってきたら5~10分くらい該当箇所をマッサージするという仕事ですね。その間、彼は学校を中退(視力の限界と学校の環境に馴染めなかったため)し、神戸で就職したので、まだまだ遠距離恋愛は続きました。 昔は今と違って携帯電話がなかったので連絡は固定電話でしたが、生活スタイルが違うので大変でした。ましてや視覚障害者同士。 お互いに行き来して街中でデートを楽しむのもなかなか難しい。だから時間が合うときに自宅や電話でひたすら話していました。 それから彼が神戸の職場を辞めて地元の岡山に帰ろうかとなったとき私も岡山に来たんです。24歳でした。

■障害児の親になる

結婚の翌年、長男が生まれました。そして3年後に次男が。長男は知的障害と自閉症で、次男はそこに視覚障害もあるトリプル障害。 いくつもの先例から自分たちの障害が遺伝するかもしれないことは知っていたので恐れはあまりなかったんですが、知的障害は想定外だったので、どうしようという感じはありましたね。 長男はなかなか言葉が出ず、1歳半検診で、保育園に入れて環境を変えたらと提案されたんです。私は岡山に来たばっかりで友達もおらず、公園デビューもなかなかできずに、ずっと二人だけの生活だったので。保育園に入ると遊びなどは増えてきましたが、やっぱり言葉は出ない。そこで検査に行って、自閉症傾向や知的障害もあるかなとなって。保育園に通いながら、定期的に言語訓練をすることになりました。 私たち視覚障害者は移動が大変です。子どもをおぶってバスに乗り継いだりしながら訓練に通いました。若かったから頑張れたんですね。 次男が生まれたのは長男が3歳の時。長男に障害があると分かった段階で兄弟が必要だと。一人っ子では寂しいかなと思い、計画出産でした。次男は生まれた直後に先天性緑内障の兆候があったので、落ち着いたら検査に行こうかなくらいの感じでした。 その時はまだ自閉症や知的障害は頭になくて、割と楽観的に捉えていたんですが、大変だったのは親たちですね。

■親とは何か

親たちからは「ほら見たことか、子どもなんか作って。一人でも大変なのに、こんな結果になって」と言われました。 とりわけ、まだおなかの傷が癒えないうちに枕もとで、一番言われたくない母からたくさんの厳しく激しい言葉を浴びせられたのがすごく辛かったですね。「どっちか施設に預けるしかない」とか。夫婦の負担を軽減するためにどんな手段でも考えなさいという感じでした。私は施設に入れるなんて考えたこともなかったので、自分の母親ながら、ほんとに情けないと思ったと同時に、母は私をもうけてからずっと障害児を産んだという罪の意識を抱えて生きてきたんだなと、そこで初めて分かったんです。 母は私と6歳になるまでしか暮らしてないから、私がいることで世間から浴びるいろんな嫌なことや苦労とかを私と共に味わって、へこみながらも強くなることができなかった人です。 例えば親子で買い物に行くと、店内で店員さんやお客さんに、私を物珍しくじろじろ見られたりする。そういうことに親として一緒に傷ついたり、傷つきながらも日々そうしたことを重ねていく中で、それを自分なりにどう捉えるのかや、どうしたら良いのかを家族で一緒に考えたりしてきていない。 だから私が重複障害の次男を出産したことを受け止められない。自分が私を産んだ時の悲しみをそのまま抱えている人なんだと気づかされて。 でも、私はそうじゃないよと。そしてそれを人生の態度で示そうと思ったんです。

■当たり前のことを当たり前に

人生で起こる様々なことを家族で悩みながら一つずつ乗り越えて生きていこうと。当たり前のことを障害があるからといって諦めるなんて変だと。 私は小学校に上がるとき、「あなたは地域の小学校に行けないんだよ」と言われました。そこで初めて、他の子と区別されてるんだと。それが私には忘れられなかった。みんなが当たり前にすることを当たり前にさせてもらえなかった、切られたという気持ちがあったので、自分の子どもにはその辛さを味わわせたくなかった。せめて義務教育の間は一つ屋根の下で暮らさないと、ちゃんとした親子関係はできないと思っていたので、子どもは地域の学校の普通学級に通わせました。子どもたちもそれが当たり前だと思ってくれたので。二人とも中学校を卒業するまではほとんど休まずに、大きな病気も特にせず、楽しく学校に行ってくれましたね。 長男は高校進学を希望して受験したんですけど、受け入れてくれるところがなくB型作業所へ。その後、一般企業に就職しました。今はグループホームに住んで自動車部品を作る工場で働いています。 次男は特別支援学校と盲学校の両方を受験しましたが、通学の条件などを考えて特別支援学校の高等部に。卒業後はどこにも行きたくないらしく、家にいますね。週に1回、生活介護に行っています。ただ3時間ほどなので、行って落ち着いたらすぐ帰ってくるみたいな感じなんですけど。コロナ禍になって外出は減りましたが、土曜日だけは靴を履いて家から1歩出るみたいな感じで外へ行っています。

■我が家vs行政

でも結局一番大変だったのは子育てではなくて、4人で当たり前の暮らしをするために教育現場や教育委員会、岡山市の行政と闘うことでした。我が家vs行政でエネルギーを使ってきたのが一番大変で。 もちろん目が見えないので、子どもが病気をした時の苦労とか、それはいろいろあります。子どもが粗相したときの後片付けってほんとに大変。ただ、それは先輩たちも通ってきた道だし、仲間同士で知恵を絞り合うことができます。けれど普通学級に行かせるとか、学校で本人の人権を守るとかは自分たちだけの闘い。保育園の申請で岡山市にNOを突きつけられたときは、役所に押しかけて課長を夜の9時くらいまで缶詰めにしてやりとりしました。もっともそれは課長が交代したときに対応ががらっと変わったので、役職に就く人によって物事が進むスピードなどが全く違うんだというのは実感しましたね。

■これからに向けて

現在、岡山県のユニバーサルデザインアンバサダーの活動を視覚障害者の視点で行ったり、コーチングや障害者ピアカウンセリングのセッションをしています。 また私の歩んできた人生を、いずれ本にしたいとも。この度、縁あって、株式会社土屋の顧問で友人の安積遊歩さんの紹介で土屋に入社しました。私が持っているものを出して、社会貢献につながれば幸せだなと思っています。今はすごく気分が高まってる感じですね。

旅企画「MATAたび」土屋にて始まります!

「MATAたび」って?

クライアントの旅への想いを叶えるプロジェクトです。日常を離れて、まだ見ぬ場所へ行き、さまざまな人と出会い、新しいことを知る。思い出の場所に行き、懐かしい声に耳を傾ける。

近くの土手を散歩して、そよ風に身を任せる。それぞれの人に、それぞれの旅の形があると思います。

人工呼吸器・経管栄養、リフトや車椅子などの使用で、外出に困難を覚えていても、きっと旅への憧れを持っていらっしゃる方は多いはず。 そうしたクライアントの希望に寄り添い、夢のお手伝いをするために「MATAたび」は生まれました。

土屋がお届けする「MATAたび」への想い

●心に自由を

コロナ禍の現在、外出の機会は減っていくばかりです。

感染リスクを避けるために旅を諦めざるを得ない現状ですが、旅の始まりはいつだって憧れと想像から。

計画を練る楽しさは、旅の大切な一部です。

「MATAたび」ももちろん、コロナ禍が落ち着いてからの始動になりますが、まずはクライアントの皆さんに、行きたいところ、してみたいことを思い描いていただけたら。

アテンダントがカメラを片手に、クライアントの望むさまざまな土地を巡り、映像をつないで旅の気分を味わったり、お土産を買うこともできます。

旅先で出会う人や景色、物事、その一つ一つがかけがえのない人生の宝物になるはずです。

旅の本質は、心の自由。それが「MATAたび」の想いです。

●「MATAたび」の大きな夢

クライアントの想いを叶えるのが「MATAたび」の第一の意義。

けれど、「MATAたび」は、それを通して、誰もが生き生きと暮らせる社会を作ることを大きな目標にしています。

今はまだ、障害があることで移動の自由が制限され、宿泊施設や観光地域もバリアフリーとは程遠いのが現状です。

ハンディキャップをもった方が街に出ることで、でこぼこ道や段差で困っていることに気づいてもらい、それを通してバリアをなくすこと。

障害をもっていてもいなくても誰もが共に生きられる社会を作ること。

すれ違いざまに自然に手を差し伸べられるような、心のバリアフリーを広めること。

あなたの旅で、あなたの一歩で、社会を一緒に変えていけたら。

生きがいをもって暮らす喜びを感じるために。

「MATAたび」はそういう夢を持っています。

「MATAたび」あれこれ Q&A

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つっちー
どこに行けるの?付き添いは?費用はどうなるの?などなど、気になることを、はりねずみ君に聞いてみたよ!はりねずみ君、教えてね♪
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はりねずみ君
つっちー君 、「MATAたび」に興味を持ってくれてありがとう! 「MATAたび」 のあれこれ事情や、質問や疑問に思うことを、一つずつ説明していくよ!

どこでも行けるの?

はい。国内であれば、どこへでもご相談に乗ります。

付き添いは?

できる限り、常に支援に入っている当社のアテンダントが付き添いします。クライアントのことを良く知っているからこそ、気兼ねなく安心に旅行を楽しめます。ぜひ、当社のアテンダントとお話をしてみてください。家族も一緒にという方も、大歓迎です!

参加費用は?

実費のみを予定しています。交通料金と宿泊料金、その他観光にかかる費用が主となりますので、大幅に予算を軽減できます。(ご家族もご一緒される場合は、ご家族分もご本人負担となります。)

コロナ対策は?

コロナ禍の状況を鑑みての旅行となりますが、マスク・検温等の基本的な感染対策は徹底します。なお、ワクチンを最低2回接種されていることが必要条件となります。

「MATAたび」って誰がしてるの?

株式会社土屋のSDGs推進室です。メンバーには旅行会社の代表や元バスガイド、元バックパッカーなど、旅のプロフェッショナルが揃っています。

もっと詳しい話が聞きたい!

ご相談は随時無料で承ります。話だけ聞きたい、具体的に相談したい等々、お気軽にお声がけください。アテンダントや管理者を通しても、直接「MATAたび」にご連絡していただいても大丈夫です。

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つっちー
日々変動のある体調や、コロナ禍ということもあって「旅行は難しいかな?」と思いがちだったけど、旅行のプロフェッショナルに徹底管理されたスケジュールなら安心だし、「旅行に行きたい」っていう思いに応えてくれるんだね!まずは気軽に相談してみよう♪

ペコロス岡野先生が贈る【母からの命のメッセージ】

【ペコロスの母に会いに行く】の作者ペコロス岡野先生が贈る漫画第二弾!!【母からの命のメッセージ】

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待ちに待った、ペコロス岡野先生の漫画第二弾!!母からの「生きとけばどげんでんなるとやけん(生きていればどうにでもなるのだから)」という感動のメッセージを、つい笑ってしまうようなジョークを添えて描かれていて、心がほっこり。「生きとけばどげんでんなる!」という、先生の母の力強い想いは、僕たちの心にも突き刺さる言葉だなぁ。次回も乞うご期待!

ホームケア土屋の社内研修

社内研修の風景

土屋の社内研修ってどんなことを行ってるの?

ホームケア土屋では現在、新入社員研修を東海、関西、中国、九州の各エリアで土屋ケアカレッジの全面協力の下、行っており、今月からは東北エリアでも始まります(10月予定)。

毎月あるいは隔月に1回、9時から18時までの2日間の開講です。

統合課程(重度訪問介護従業者養成研修統合課程)を修了した常勤、非常勤すべてのアテンダントに受講してもらい、初日はコロナ対策をしっかりとした上で対面授業をしています。

講師は私(河内)と中原しのぶ、関口久美子の研修品質責任者3人です。

研修内容は、支援におけるアテンダントの不安解消と、介護技術の基礎の習得で、それを現場で応用発展することを目的としています。

具体的には、介護の基本的な部分で必要となるコミュニケーション方法(文字盤やまばたきなど)やバイタルサイン、更衣・車椅子介助の仕方。

尿器の取り扱い方など排泄における注意点。心肺蘇生法の実施です。

その他、身だしなみや接遇についてもお伝えしています。

 また、研修を受ける前に支援に入っている方が多いので、実際に現場を経験してみて不安や困難を感じているところを取り上げたり、医行為に関した内容も教えています。

現在までに聞こえてきた疑問や不安の声も研修に組み込み、総合的に学べるようなカリキュラムを作成しています。

重度訪問介護は、当事者の意向に沿った支援を基本とする当事者本位のケアですので、新入社員研修はあくまでも基礎の習得で、そこからは各々のクライアントに合った方法で支援をする必要があります。

日々の生活支援はもちろん、血圧や体温などのバイタルは一人一人異なりますので、クライアントに合った標準値を示した上で、異常がないかどうか注視してもらっています。

社内研修によってアテンダントの不安や困りごとが解消されたり、バイタルの基準が明確になったりと、統合課程で学んだことの復習や新しい発見につながっているとの声も上がっていて、研修後には個別の質問も届くなど、カレッジの存在意義を感じています。

今後とも、より安全で質の高い支援を届けられるよう、社内研修の内容向上を図っていきたいです。

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土屋では、土屋ケアカレッジによる独自の研修方法を導入することで、利用者様が安心・安全に、より良い生活が送れるようカリキュラムが組まれているんだね!

「こもちゃんTV」って?

「こもちゃんTV」ってなに?

「こもちゃんTV」は、株式会社土屋の最高文化責任者であり、障害当事者でもある古本聡(通称こもちゃん!)とざっくばらんにトークしようという番組です。

色んな障害や難病を持ったゲストとお話ししながら「生きるって何?」「多様性って何?」「障害ってどんな感じ?」「介護ってどんなお仕事?」「○○で悩んでいるのだけど、どうしたらいい?」といった様々なお話をしています。

見るだけでも良し、参加しても良し。アシスタントを務めてくれる「原香織おねえさん」がやさしくフォローしてくれるから、みんなで気楽におしゃべりしてみましょう!

お顔出しNGの方もビデオOFFでお気軽にご参加くださいね。

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色んな障害や難病を持ったゲストと、株式会社土屋の最高文化責任者であり、障害当事者でもある古本聡さん(通称こもちゃん!)による、「生きるって何?」等の赤裸々な話題をお届けしているよ!皆も一度は「こもちゃんTV」を観てみてね♪

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