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社内で勝ち負けをつけると、安心できる協力関係は築けない~良いチームづくり~ / 川﨑 知子

社内で勝ち負けをつけると、安心できる協力関係は築けない~良いチームづくり~
川﨑 知子(ホームケア土屋 マーケティング部)

重度訪問介護は、クライアントと1対1の密接な介護であり、直行直帰の単独行動です。

従事しているアテンダントは、それぞれに様々な経歴や資格があり、介護歴が数十年という方もいれば、この業界へ全く白紙の状態で入社された方もいます。

そして歩んできた経歴によって、介護への考え方や目的、価値観といった、いわゆる「介護観」も、それぞれ違ったものを持ち合わせている現状があります。

それぞれの個性を持ったアテンダントが「単独」で動くこの体系では、目標達成に向けてチーム力は不可欠です。

チームにとって、「共通の目標がある」という事は大変重要な事ですが、重度訪問介護においての目標とは、やはり「クライアントの健康維持」と「安定した生活のサポート」でしょう。

管理職側からすると、「利益」という文字が浮かびますが、実際に現場へ向かうアテンダントには、クライアントからの「ありがとう」という言葉の価値が大きいでしょう。

管理職は、チームをまとめる上でこれを忘れてはいけません。

アテンダントの小さな努力の積み重ねから、クライアントの「ありがとう」が生まれ、その結果、利益がついてきます。

チームで目標達成する為には、メンタルに負荷がかかりやすい重度訪問介護だからこそ、アテンダントが孤立せず、且つ、余計な人間関係に悩まされることなく、適正なメンタル状態で働ける環境を目指す必要があると思います。

意見が言える環境か、相談ができる環境か、上司や仲間とは情報共有が盛んに行え、また適度に雑談が交わせる関係か。これらが適正なメンタル環境を保つ要素となるのではないでしょうか。

そして、組織のチームワーク形成の為に、ベースとして最も必要だと感じるものは、仲間同士の信頼関係です。これがチームの地固めになると思います。

「売上」「利益」を追う事も、会社には必要です。

我々は株式会社に勤めていますから、ここは皆が理解すべきです。

ですが、売上を伸ばそうとする際に、上司がまず初めの意識づけとして、「部下同士をライバル視させて、競わせようとする場面」を見ることがあります。私はここに、大きな疑問を感じます。

疑問に思う点は、順序です。

私は、競わせる前に、まずは一つにまとまらせて信頼関係を築き、仲間意識を持たせる必要があると考えます。

仲間意識を持つ前に部下を競わせると、チームは分断します。根深い溝になっていきます。

分断すると、いざ何か問題が起きて、互いに協力しなければならなくなった時に「対岸の火事」になり得ます。

その時になって「チームがまとまらない何故だ」と考えても、そう育てたのですから仕方ありません。

ライバル意識を持つ事自体は、決して悪い事ではありません。ですが、ライバル意識はプラスの思考から生まれなければなりません。

良い方向に向かわせる必要があります。そしてライバル意識は、自分から相手を選び、抱く感情です。

仲間として互いの力を認め、尊敬し、良い関係性があって初めてチームが前へ動くのではないでしょうか。

また、この「仲間同士の信頼関係」は、孤立も防げます。

疑心暗鬼や、独りよがりな考え方を、増幅させる前に軌道修正でき、柔軟な思考と、居心地の良さを作り出せるのではないかと、考えます。

これからもまだまだ新しい仲間を求めていく中で、チームワーク形成は、この先も課題に上がり続けるものです。

複雑な人間関係がありますが、良い形へ向かう協力をし合いたいものです。

プロフィール
川﨑 知子 ホームケア土屋 / マーケティング部

山口県出身
40代、愛犬家
休みの日は娘とのランチが楽しみ。

約10年前に高齢者介護に就く。訪問介護・サービス付き高齢者向け住宅・特別養護老人ホームを経験し重度訪問介護へ。

ホームケア土屋北九州でオフィスマネージャーをさせて頂き、現在は本社マーケティング部に在籍。

重度訪問介護で障害者の可能性を広げたい、一緒に働く仲間を増やしたいという思いで活動中。

介護福祉士

050-3733-3443