介護職に携わって~その場その時、必要な働き~
成田和之
一念発起し、畑違いの介護業界に飛び込んだのが、かれこれ3年程前である。
介護職は、医療・福祉施設等における介護職員と訪問介護従事者に大きく分類される。
私が従事しているのは後者の方で、訪問介護サービスの中でも重度訪問介護とさらに分類される業態であり、障害を持った方を対象としている。
重度訪問介護を志したきっかけは、入所系や通所系よりも1対1でじっくりと介護する訪問介護が性に合っているのではないか。また、医療的ケアを行う事により、少しでも人様のお役に立てるのではないだろうか、といった漠然とした、今振り返ると恥ずかしくなるくらいの理由でした。
介護に携わっていた3年間、様々な方と関わらせていただきました。
その中で感じたこととしては、相対的に施設での経験が長い方は身体介護のスキルが高い傾向が見受けられます。また訪問系の勤務期間が長くても特定の利用者の介護に長く携わっていると介護期間とスキルが比例しないケースも見受けられます。
前職、施設にて勤務され、1人で何十人の対応をしてきましたという方で意外に多いのは、「訪問介護は1対1なので大丈夫です、問題ありません」と入社され、結果的に仕事が長続きしないというパターンです。
施設には施設の難しさがあり、訪問には訪問の難しさがあると思います。当然、同じテーブルで議論する事ではないのですが、単純に担当人数で比べる事自体がナンセンスであり、介護職として1人1人利用者と向き合っていないのではないのかという疑念を抱きます。
誤解を招くといけませんので追記させていただきますが、施設勤務から訪問介護に転向し、さらなる活躍をなさっている方も大勢いらっしゃいます。
介護職は同じ事業所においても被介護者が異なると介護者も十人十色の経験を積んでいく。
介護職に従事する方の性格や考え方、向上心が経験値に大きく影響していくという非常に興味深い職種であると感じます。また被介護者やそのご家族を含め、様々な方と関わらせていただき、自らの考え方の幅を広げ、自己啓発につなげていきたいと思います。
◆プロフィール
成田和之 ホームケア土屋 札幌
2021年 介護業界未経験で入社。
2022年 実務者研修取得、コーディネーターとなる。