社会性、経済性、そして人間性について
野村義稀(ホームケア土屋 九州)
「世の中の困っていることをサポート(社会性)し、それをビジネス化(経済性)する」
「環境が人を育てる(人間性)」
私が新卒入社した会社で口酸っぱく言われ続けた言葉だ。
教育(塾、家庭教師)、英会話、携帯電話、ウォーターサーバー、新電力の販売…様々な事業に携わることができた。
自分自身の人間形成、仕事観に大きく影響した会社であり今でも元上司と親交がある。育てていただいたことに非常に感謝している。
「ビジネス」という言葉そのものが福祉業界においては少し聞こえが悪い気もするが、私自身は非常に重要な部分であると考えている。
社会性×経済性のバランスを常に注視して時々に応じた修正をかけていかなければならない。
「困りごとが気づかれることなく、ニーズが満たされず、生活や生命が追い込まれ、未来への希望を失いかけている多くの方々の「小さな声」と出会い、その声に応えていこう…」
※弊社HPの代表挨拶より引用
世の中で気づかれにくい声、介護難民を救うという大きな社会性は土屋に少しでもかかわった皆さんにご理解いただけると信じている。
では、一方でなかなか受け入れ難い経済性とはどういうことだろうか。
前提として「売上至上主義」ではないことを理解する必要がある。
サービスの提供には必ずコスト(経費)が必要となる。人件費、交通費、家賃など多岐にわたる。
小さい範囲から基盤を固め少しずつ広域にサービス提供しなければ、莫大なコストが掛かってしまう。
最終的には原資不足によって全体への提供が出来なくなってしまう。
従業員の生活を守っていく必要があるため、基礎の部分が小さいまま身の丈に合わない大きなビルを建てようとしてしまってはいけないのだ。
基礎を大きく、少しずつ少しずつ拡大しなければならない。
最後に、人間性に関しては「環境が人を育てる」に尽きると感じている。
言葉だけだと受動的に捉えられるかもしれない。
しかし私は環境に飛び込んでこそ大きく成長すると考えている。
福祉業界に未経験で飛び込み、自分の不器用さ、出来なさに1週間ほどで逃げようとしたときに支えてくれたマネージャー、寄り添って教えてくれた同僚、コーディネーターといった仲間たち。
グッとこらえて付き合い続けてくれたクライアント。
「情けは人の為ならず」という言葉があるように、頂いた恩をしっかり次に丁寧に伝えていくことが重要だ。
そういった循環をしていくことで、自ずと人間性も成長していくと考える。
社会性、経済性の両立を目指していくことで、人間性を磨くことができるのではないだろうか。