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『つながりを実感できる仕事』【後編】 / わたしの

『つながりを実感できる仕事』【後編】
わたしの

土橋:これまで、仕事のやりがいを見つけるのに三年くらいかかったというお話を聞いてきました。

人との関わりの中で徐々にゆっくりと関係を築き上げていった結果、そういうものを発見していったという感じですね。

水江:そうですね。

土橋:さらにお仕事をこれまで続けてきていかがですか?

水江:仕事が慣れてきて、心に余裕が出てきてからは上手に様々な方に対応できるようになってきました。

仕事をはじめた当初は、考えすぎるタイプなんで体が参っていたんだと思います。

帯状疱疹が出たり、ノロウイルスやインフルエンザに感染したり、その年は最悪でした。

でも、自宅から車で20分かかるのですが、働いている地域は秋には紅葉がきれいだし、春には桃の花が咲いたり、景色がとても美しいんです。

土橋:そういうのも楽しみなんですね。

水江:そう、楽しみなんです。もっと近くで働けるところはあるんですけどね…。

土橋:体力的にはどうなんですか?体力使う仕事ですよね。

水江:使いますね。ただ、仕事をやめて家にいたときは歩く機会もなかったので、仕事で体を動かせるのは幸せなことです。

一日8000歩くらいは歩いています。

私は今年で67歳になりますが、仕事で歩いているおかげか、まだ足腰は丈夫な方です。

ただ、精神的には疲れますね。

土橋:感情労働とも言いますからね。どのようにリフレッシュしているんですか?

水江:先ほども言いましたけど、誰かと身も蓋もないことを話すのが好きです。それが一番発散になります。

本当はご飯食べながらとか、ちょっとお酒を飲みながらがいいんでしょうけど、今は控えなきゃいけない場面もあるので、公園とかで距離取っておしゃべりしてますね。

土橋:自分のいたわり方を知っているといいですか?

水江:そりゃ、もちろん。心のケアというのか、カサカサしてしまうので、潤いが大事ですね。

土橋:そうですね。潤いは大事ですね。

少し話は反れてしまいますが、今年(2022年)、近所の神社で例大祭が開催されました。2年ぶりだったそうです。

主催者とお話をしたら、是非開催してほしいという地域の人の熱い声に後押しされて開催を決定したそうです。

みんな求めてますね。もう限界ということかもしれない。やっぱり地域のお祭りは潤いなんですね。

だから不要不急というけれど、決して地域のお祭りは不要不急なんかじゃないと実感しました。

水江:本当にそうですね。

土橋:我々は地域のお祭りがなくなったらどうなるか、身をもって知ることになりましたが、それは改めてその価値を知る貴重な体験だったのかもしれません。

水江:孤立する方も増えたと思います。

高齢者や基礎疾患がある方は外出を控えていましたので、隔絶されてしまったと感じた方は多かったのではないでしょうか。

そのような時代の中でも、私たちはエッセンシャルワーカーと呼ばれますが、人とのつながり、その実感を確かめながら働けていることは、これもまた幸せなんだと思いましたね。

土橋:そう思えることは大事ですね。そのように自分の仕事を位置づけられているといいな。

水江:働きながら、同僚やご利用者さんに教えてもらったんです。

少なからず、この仕事に就いている方は感じていることだと思いますよ。

土橋:働いている方は若手もいるんですか?

水江:いますよ。若者がたくさん働いています。

土橋:幅広い世代がいるんですね?

水江:私と同じ世代もたくさんいますよ。70歳過ぎて働いている人も4人くらいいます。こちらもみんな元気に働いています。

私は58歳からこの仕事をはじめましたが、その年齢からはじめても決して遅くはないと思います。

20代だからできることはもちろんありますが、50代、60代だからできることもあります。

体力は劣りますが、その分自分の経験値を生かせるやり方があると思うんです。年齢を重ねると、「老い」に共感できる部分も増えてきますし(笑)。

土橋:すごいな。水江さんの現在の楽しみは何ですか?

水江:そうですね…孫の世話をすることですかね。かわいいですからね(笑)。

土橋:そうなんですね(笑)。

水江:幸せです。

土橋:そう感じられることは本当に素敵ですね。お話聞けて嬉しかったです。

そうこうしているうちに、そろそろお時間がきてしまいました。最後に水江さんから一言いただいてもよろしいですか?

水江:はい。

そうですね、私はこの仕事をするまでは福祉は「きつい」とか「汚い」とか、そのようなイメージを持っていましたし、片一方で「聖人君子の仕事」のようにも思っていました。

働いてみて、自分の偏見って怖いなって思いました。偏ったイメージでチャンスを逃していたなって。

若い人も、それから私のような年配の方も、もし同じようなイメージを持っていたとしたら、是非まずは飛び込んで、経験してみてくださいって言いたいですね。

土橋:素敵なメッセージありがとうございます。またお話聞かせてください!

水江:是非とも!

土橋:ありがとうございました。

おしまい

プロフィール
わたしの╱watashino

1979年、山梨県生まれ。

バンド「わたしの」
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