こもちゃんTV14回 小山内美智子の車椅子からウィンク
ゲスト小山内美智子さん プロフィール
1953年、北海道和寒町生まれ。脳性まひによる障がいがあり。
1977年に介助を必要とする人の自立生活を支援するNPO「札幌いちご会」設立、現理事長。
著書多数→こちら
番組の中で小山内さんについて最も強く感じたのは、この方が人として、そして女性としてチャーミングでユーモア溢れるキャラクターだということ。その上心が強い。 一女性としての恋愛観から始まって、子育てについてまで様々な本を書いてきた小山内さんだが、いずれの作品でも「考えの無理強い」が感じられない。つまり、障害女性が苦労の末に恋愛・結婚をし、子育てまでしたというような感動物語ではなく、恋愛も結婚も子育ても人として、女性としてしたいからしたのであって、たまたまその主人公が重い障害を持っていたにすぎない。そんな自然な、普通の感覚が伝わってくるのだ。人間としても大人、そして女性としても大人。小山内美智子さんにはそんな印象を抱いた。
番組文字起こし

本の名前が可愛らしいですよね。(誰もが)読んでみたくなる

小山内さんの中で一番気に入っているのは?

足指でつづったスウェーデン日記
恋愛観について尋ねると・・・、

恋愛観・・・片思いもしたし、振られたこともあるし、仕事に疲れたら恋愛をしているという感じ。仕事がハードで疲れてくるから恋愛して休憩。
という答えが返ってきた。ますますこの人物に興味がわいた。
一方で、小山内さんは障害者運動ではかなりアクティブだ。

本を書いたり、市に要望書を書いたり、行政に怒鳴り込んで行ったり、地元でお金策を考えたり、講演会行ったり。海外、沢山行きました。日本でも沢山周りましたね。

すごいアクティブですね!

すごいアクティブですね!

大体そういう活動をし始めたのはおいくつぐらいからですか?

22歳、イチゴ会から
話を再び恋愛観に戻すと…、

小山内さんはどんなタイプが好きですか?

イケメンがいいね、男っぽいより柔らかい感じの人。子供の時から布施明さんが好きで。

シクラメンの香り。

声がすごく甘くて良いですよね

イケメンですよ。小学生の時からずっとレコード買ってる。

奥様はロミオとジュリエットの・・・
視聴者「オリビア=ハッセイ!」

ではでは、次良いですか?デートで行った場所で印象に残っているところはどこですか?

いっぱいありすぎて忘れちゃったねー

仕事の息抜きにいっぱいデートしたんですね?

うん、地方に行って、講演会やって付き合った人もいたしね

いろんなところに出会いがあるわけですね?

出会いはいっぱいあっても、気が付かないってのが大体なんだけど、気が付くっていうのがすごいな

私は口説かれるのが嫌なんです。

自分が口説くんですか?

そう、得意なんです

ちょっと口説かれてみたいかも

分かりました。考えておきます。でも、奥さんいる人は口説かないんです。 笑

残念です…

次に結婚について少し・・・。

16歳の頃、NHKのドキュメンタリーで足で赤ちゃんを育てている人を見て・・・。

テレビで見て?

うん、すごくうれしくて涙が止まらなくて。自分もあの人のようになりたいなって思って。18歳の時に母と一緒にその人に会いに行って、二人っきりで話しをしたんです。トイレの行き方とか、足で絵を書いたり、料理をしたり、どうやって男を口説くか、とか

そこも習ったんですか?

はい。あなたなら何でもできるよと言ってくださって。アー凄い人だなって思って。私にとってその人との出会いは大きかったね。あの出会い無しでは結婚も恋愛もイチゴ会もやっていなかったと思うね。とにかく働きたかったね。ああいう人がいっぱいいて、人に夢と希望をあげてほしいよね

そこから今度は小山内さんがその人と同じように希望を与える立場になったのは素晴らしいですよね

そういうのが歴史だなって。誰かの姿を見て勇気が出て、それがまた繋がっていくのが歴史というものだから、運動というか、ありのままの姿を見せていくのが私たちの仕事だと思います。正直に生きることが、人を引き寄せてくれるから。そういう人が増えてほしい。こもちゃんとの課題だね。

うん私たちの課題だね

さて、結婚して小山内さんが良かったと思ったことはなんですか?

子供を産んだことですね
あんまり覚えてない…9か月目ぐらいになると、一つだけ心配が出てきて、私と同じ障害者の子が産まれたらどうしようかという恐怖感に襲われて。
あんまり覚えてない…9か月目ぐらいになると、一つだけ心配が出てきて、私と同じ障害者の子が産まれたらどうしようかという恐怖感に襲われて。

そういう心配ありました?

ありました。私は結婚とか妊娠とかマスコミに全部見られているから、子供を産んだら沢山押し寄せてくるのがわかっていたから、障害者の子供を産んだらどうしようかと悩みましたね。

なるほどね

なるほど
妊娠したときにお医者さんは問題ないと言ってくれましたか?
妊娠したときにお医者さんは問題ないと言ってくれましたか?

おめでとうって言ってくれた。全然問題ないって。うれしかったですよ

そうですよね!
育児は大変でした?
育児は大変でした?

大変だったけれどね、夫だった人もやってくれたし、大抵豚のように横になっておっぱいやってたから。息子が手でおっぱいもんでくれて

旦那さんは育児をやってくれた?

やってもくれたけれど、ボランティアが忙しくて・・・一緒にイチゴ会をやってくれたり、いろんな方のボランティアで。それで取られた。

えっ?
小山内ヘルパー「他の、障害がある方にとられたんです。」

・・・ちょっと問題があったんですね?きっといい人ではあったんですよね。

良い人だから障害者の女の人と浮気をして、2人の障害者を幸せにしたからノーベル賞をあげたい。

すごい小山内さん!今が幸福だからそんな風に言えるんですよね?今は一緒にいらっしゃるお方は・・・
息子さん?
息子さん?

違いますよ!こんな夜更けにバナナかよを書いた渡辺一史さんですよ!

騙されて呼び出されました。

この前みらくるTVに出た時に一緒に暮らしていると騙されて・・・笑
渡辺さんは奥さんいらっしゃらないのでオッケーです
渡辺さんは奥さんいらっしゃらないのでオッケーです

口説いても構わない(笑)

奥さんいないしイケメンだし

僕が性格がねじ曲がった障害者なので、小山内さんに何度絶交されたか

喧嘩できるほど仲がいい!
元宮城県知事の浅野史郎さんとの出会い。

浅野さんとはね、私が子供を産んだ時に会って、厚生省から嫌な男が来たなって。にらんでいたんです。ふてくされたようなね。顔はかっこよかったけど、なんか私に喧嘩吹っ掛けてきた感じで

―ここで浅野先生に弁明の機会を・・・―

僕の場合は前任者から北海道に行ったら小山内美智子っていうとんでもない奴が居るから気をつけろよって言われたんですよ。行政に好き勝手とんでもないことを言ってくる我儘な人がいてって。ぼく普通の顔がふてくされてるんだよね。その時小山内さんは北海道庁にケア付き住宅っていうのをやってくれって要望に来てて、会ってすぐにこの人、面白いって思った。まず頭がいい、そして行動力がある。そしてユーモアがあるってこと。ユーモアがあるっていうのは余裕があるってこと。小山内さんは余裕があった。要望のケア付き住宅、僕は直ぐやりましょうって言ったの。小山内さんのことを仲間だと思ったの

すごい!そういう人ばかりならいいですね…

僕が初めて障害福祉の仕事をやったのが北海道で、行政と障害者は同じ方向を向いてやっていけるんだと思えた。その意味では小山内さんとの出会いに感謝

まぁ色々と掘り下げていくといっぱいあるんですが、同じ方向を向いてっていうのは浅野さんも小山内さんもお互いにそう思ったんだよね。
番組参加視聴者((顧問の影山摩子弥さんとのトークも秀逸!)

影山先生何か一言おねがいできますか

ケア付き住宅、簡単になかなか行かないんじゃないかなって思いましてね。うまく運営されるポイントを教えていただきたいのですが、どうでしょう。

ケア付き住宅みたいなものをする時には、浅野さんみたいに偉い人にやってもらわないと。厚生省の偉い人。一緒にアイデア出し合って頑張りましょうという人が親分になって。そこはやっぱり最後は考え方ですね。障害者もいろいろ言う人もいるんだけど、障害者も働けるんだって認めてくれる人がいる限り私たちは幸福に生きられるし、こもちゃんとか私はね、言語障害があるから長い時間かけて用意していかないと、ここまで多くのことを吐き出さないと良いものはできないんじゃないかと思います。

もう一個だけいいですか?図に乗って、最初の方でお話になっていた仕事の息抜きに恋愛するっておっしゃっていたの。私それが出来なくて、恋愛が面倒くさくて、恋愛をしているより仕事の方が楽なんです。なんかね、恋愛を楽しむ方法・・・この歳になってから遅いかもですが、そういうのってありますかね?

あ~、私の所に来てください。手取足取り教えますから

良かったですね、影山さん!

ありがとうございますっ!
ダイジェストバージョンの特別動画を公開
このように番組はとても楽しく笑いが絶えず、それでいて、ジンとする場面もありと進行します。
今回、特別にこの番組のダイジェスト版を制作しました。
30分程度に編集しておりますので、是非ご覧頂ければと思います。